道路空間(道路の上空)を利用した津波避難タワー
Tsunami evacuation towers using road space (above the road)
津波避難タワーは、津波被害が想定される地域で、地震の発生から津波到達までの時間及び地理的条件等の理由から、安全な高台等への避難が困難な周辺住民が、一時的な避難場所として活用する施設です。建設に一定の敷地を必要とする従来型の津波避難タワーとは異なり、道路空間を有効活用する歩道橋型の構造で、通常時の歩道橋を兼ねた津波避難施設は全国初の計画です。 当社は、静岡県吉田町から業務を受注し、タワーの設計基準作成から詳細設計を担当しました。
今回完成した津波避難タワーは海抜3・1メートルに設置され、通常時は、横断歩道橋として利用でき、災害時には、避難施設として利用する2つの目的を兼ねた施設です。鉄骨造りで高さ6・5メートル、延床面積は628平方メートルで、避難者1200人の収容が可能です。予想される高さ約3メートルの津波と大規模地震が同時に発生しても各部材が弾性域(除荷すると変形が元に戻る状態)に収まり、壊れない安全な構造となっており、かつ地中に約30メートルの杭を打ち込み地盤の液状化にも対応しています。
所在地:静岡県吉田町
発注機関:静岡県吉田町防災課