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ポケットモンスター 眠い/帰りたい

6:45
スマホの時計を2度見する。アラームは6:15にセットしたはずだった。週末の疲れを背負ったまま眠っていた私の耳には、大嫌いな月曜日の朝が始まる知らせなど届かなかったようだ。あー、またクソみてーな1週間が始まる。むくりと身体を起こし、使い込んだくたくたのリュックサックに教科書を放り込む。今日は授業が3限で終わることにささやかな喜びを覚えながら、特に何のこだわりも無いいつもの洋服に袖を通し、変わり映えしない化粧を済ませる。

7:45
自分で車を運転しているとたまに、「私なんで車運転してるんだろう」と不思議な気持ちになることがある。つい最近まで高校生だったような気分になってしまうのはまだ自分に大人としての自覚が足りていないからなのだろうか。免許を取っても酒を飲んでもたばこを始めてみても、特になにも感じなかった。もう今年で21になるんだぞ。頼むからいい加減にしてくれよ。『Stay with me…19にもなったのに 悲しみが欲しいのはなぜ?』ロビンはどんな気持ちでこの歌詞を書いたんだろう。カーオーディオから流れるTHE YELLOW MONKEYの『カナリヤ』を口ずさんでいるうちに駐車場に着く。

8:15
クラスで一番に学校に到着する。やる気がある真面目な学生、と思われれば得だが当方まったくといっていいほどやる気が無いため、席に着くなり自主勉強をするでもなくツイッターをぼんやり眺めてやりすごす。「真面目そう」と言ってもらえることが多いが、一体私のどこを見てそう思うんだろうか。ただ大人しくしているだけでそう思って貰えるなら得だし体力も使わなくて楽なので、一生そうしていようと思う。

9:00
今日はそういえば3コマ中2コマがグループワークだ。2年前は苦手だったグループワークも、最上級生になった今では苦手も得意も感じなくなってきた。やらなきゃいけないからやる。それだけの話だ。怖気づくことなく自由に自分の意見を発表できるようになったのは、私の数少ない成長の証だと自負している。

14:30
グループワークと大嫌いな研究の授業をやり過ごし、今日の授業は終わった。平日は学校での生活が全てといっても過言ではないため、ここでなんらかの爪あとを残さないとまた深夜に1人反省会を開催する羽目になるのだが、案の定何もできていない。G20。ゴミハタチ。我ながら最低な発想だと思う。

15:00
今日の成果はG20ゴミハタチなどというおよそ大人の考えたとは思えないようなジョークを産み出してしまったという失態だけで終わってしまった。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎。そう自分に言い聞かせながらまっすぐ家へ車を走らせる。

16:00
席について大人しくしていただけなのになんでこんなに疲れているのか、自分の体力が恥ずかしくなった。どかっとソファーに腰掛けたとたん眠気が襲う。

19:00
起きて時計を見たら情けなくなった。私3時間も昼寝したの?それで散々寝たのになんでまだ眠いの?G20自宅サミットで様々な疑問が飛び交うが何の問題も解決しなかった。自分の人間としての能力の低さに唖然としながら夕飯を食べる。

22:30
明日の授業の確認をしてから風呂に入ろう。そうして無理やり体裁を整える。日中が無理なら夜に活動すればいい。それができたら苦労しないのだが。そう考えただけでも偉いと思いたい。

23:30
以前、やりたいことの10%もできないまま今日も終わっていくと1日を締めくくったことがあったが、私のやりたいことって一体何なのだろうか。
まぁ、いいか。早く寝よう。明日も早い。


THE YELLOW MONKEY-カナリヤ



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