『21世紀の資本』見たよ。

社会主義の欠点は社会主義にあるが、資本主義の欠点は資本家にある。

── ウィリアム・シュラム

私の欠点は、私の送る日常が上等なものであるという幻想を抱いているところだ。だから、常にこんなはずじゃないとの空手形に勝手にげんなりしてしまう。
原因としては、欲望は簡単に上昇するけれども、めったに下降することはないからだ。

そういう意味では、ひもじい私でも資本家の気持ちはわからなくもない。

『21世紀の資本』
あらすじはっ
全部資本家のせいだ。

よし、これで本を読まなくてもいいぞ。

能動的に読書する気力もないので、サクッと摂取できる映画版。
大枠はわかるので、世間話にはついていけそうだ。

とはいえ、貧富の差開きすぎ、資本家の資本固定されすぎって内容を補強していくだけなので大きな発見が得られるものでもなかった。

よく言うように、広告とは、不要なはずのものを欲しがっていると大衆に思い込ませる穏やかな芸術だ。そうやって、資本家たちは富を吸い上げるシステムを作り上げている。まあ、別に隠された事実でもないけど、そういったことばかり考えて、陰謀論に流れていく人の気持もわからなくはない。

現代では、古くなくても来られる服を捨てる。私の場合は、それは洋服ですか、いいえボロ布ですって言われるギリギリのところまで服を着る。電子機器も、新しい機種が欲しくても、不調が出ないと買い替えない。

集合住宅を見て思うのは、そこに存在する洗濯機は5分の一でいいだろうし、冷蔵庫は半分、電子レンジも半分以下で全然大丈夫だろうに。

とにかく、必要以上のモノが世界に溢れすぎている。
そしてそれをけしかけ買わせたものだけが収益を独占している。
基本的には、持ってないと不幸ですよと、商品を押し付ける商法だ。
人間は幸福を求めるようには出ているが、幸福でいるようにはできていない。
ほんの僅かにでも上昇傾向を見せていなければ、それは不幸と呼ばれる状態になってしまう。

高所恐怖症と同じだ。高さが怖いのではない、落ちる想像に怯えているんだ。

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