パンの耳と幸福感
昨日、前から気になっていたパン屋に入ってみた。
店の前を通る度にガラス越しに美味しそうなパンが並んでいるのを見て(ここのパンは美味そう。そのうち寄ってみるか)と思っていたのだ。
そこはまさに私の好みにぴったりのパン屋だった。
惣菜パンの種類が豊富で値段も安い。
私は目移りし、どれにしようか嬉しさに満ちて棚の間をうろうろした。
コロッケパン、メンチカツパン、カレーコロッケパンなど108円だ。ヒレかつドック、唐揚げドック、ハンバーグパンなどは150円。グラタンコロッケバーガーやエビカツバーガーも150円。
うわぁ!好きなのばっかり!どうしよう全部食べたい!私はコロッケパン、メンチカツパン、サラダロールパン、などトレーにのせてレジ近くの棚をふと見た。
そこにはパンの耳が詰められた袋が並んでいて500円以上お買い上げで1つ差し上げます。とあった。
そのパンの耳がやけにうまそうに見えた。
これは貰いたい!と私はハンバーグパン、エビカツバーガーを追加し、パンの耳をトレーにのせた。
家に帰ってさっそくサラダロールを食べた。
サラダロールにはたまごサラダ、きゅうり、トマト、ハムがはさまっており、具だくさんで野菜はフレッシュ、ハムもおいしい。
これで108円!メンチカツパンもメンチが手作りなのかとてもおいしい。
なんていいパン屋を見つけたんだろう!
毎日ここのパンでもいい!パンの耳もくれるし!パンの耳は食パンのを切り落としたヘタパンだからチーズをのせて焼いてもいいし、柔らかいからこれに具をはさんでも自前のサンドイッチだってできる。
私はすっかり嬉しく、パンを食べ終わった後、どこからともなく確かな幸福感がやってきた。
これがものすごく幸せな感覚で、人間の幸せというのは、こういう物なのかと私に思わせた。
パンがおいしかったというだけで、
パンの耳が貰えたというだけで、
これ程の幸福感がやってくるとは。
ひさしぶりに私は幸せだと思った。
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