欲しいのは、ルーティン。
ドラマティックな展開は要らない。
心のざわつきもざらつきももう結構。
波乱万丈なんてまっぴらごめん。
たまーにさざなみが立つ程度の
静かな湖面みたいに、
穏やかに、安らかに、暮らしたい。
毎日同じ場所に通って同じ仕事をするなんて、
耐えられない気がしていた。
単調な繰り返しに、きっと息が詰まるし、
飽きが来ると思っていた。
だからフリーランスという働き方を選んだし、
ライターという職業を選んだし、
幅広いジャンルの原稿を書くことを選んだ。
でも、
いま、いちばん求めているのは、ルーティン。
老後の隠棲生活がずっと憧れだった。
起きたら、掃除、洗濯、庭仕事をして、
料理や菓子を作り、本を読み、音楽を聴き、
手芸をして、お酒を少し飲んで、眠る。
ただただそれを繰り返す日々が理想だった。
要するに、必要な家事と、
好きなことしかしないで暮らすということ。
いちばんの贅沢。退屈なんて無縁。
まぁ、時々は旅ができたら最高だけど。
悠々自適? いやいや、
フリーランスの年金なんて微々たるもので、
もちろん働かねばならない。
まぁ、でも、生涯現役は望むところ。
料理や菓子、手芸作品をちまちま販売して
生活の糧を得られるように準備中。
そうか、いま、夢に向かってるんだ、わたし。
叶えてやろうじゃないの、
若い頃に憧れた暮らし。
よーし、目指せ、ルーティン。ファイティン!