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シニアDays

昨年、還暦を迎えた。

それでも駅は階段を利用する派。が、このところ階段を上り切ると息切れがして、体力の急激な衰えを感じている。筋力維持のため、ヨガのレッスンを受け始めて数年。コロナ禍をきっかけに、オンラインに切り替え、週に数回自宅で受講している。が、毎回必ずどこかが痛いし、体の柔軟性や可動域はミリ単位でしか変化していない気がする。長年の運動不足と前傾姿勢で凝り固まった体は、一朝一夕では変えられないということだ。

これが、還暦。

病院とはずっと縁がなかった。職業病である腱鞘炎の治療か予防接種、歯科治療に行くくらい。が、いまは複数の病院に定期通院をしているし、毎日服用しなければならない薬もある。これもまた長年無茶をして、体を酷使した結果。年齢的に勧められる検査は拒まず、きっちり受けて、早期発見・早期治療に努めている。同世代の友人とたまに会うと、自分の体の変化、親の介護の話題で盛り上がる。ああ、これがよく記事に書いたあれか、シニアの共感。

なんてったって、還暦。

かつての若白髪はもはやただの白髪。数年前から染めるのをやめた。流行りの「グレーヘア」という呼び方に変えても、やっぱり白髪は白髪。老いの証明書みたいなものだ。電車で学生さんから席を譲られそうになったことがある。でも、さすがにまだ、そこまでではない、と思う。デニムにTシャツがユニフォーム化しているおばさんは、おばあさんまでもう少し時間があるはず。今日なんてオーバーオールを着ているし。

たかが、還暦。

散歩の相棒である愛犬も13歳(人間なら60代半ばの♂/一度腰を痛めてからサプリメントを与えている)。散歩が大好きで、出かける前は興奮して大騒ぎするくせに、いざ出かけると匂い嗅ぎに夢中なふりをして、なかなか歩かない。ほんのわずかの距離を歩いただけで、自分が満足すると、とっとと家の方に向きを変えてしまう。時には10分程度で回れ右してしまい、もはや散歩とはいえないレベル。ずっと従順だった彼も、老いてマイペースになり、頑として意思を曲げない。人間と同じだなぁ。

それも、還暦。

老々コンビの田舎暮らし。日の出とともに目覚め、日の入り頃にはうとうとしている愛犬につられ、飼い主も早寝早起きになって来た。自然に還る日まで、共に老いよう。

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