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旅に使うオートバイを考える①

学生時代、友人の狭いアパートでテレビ画面に2人で齧りついている。
流している映画は「イージー・ライダー」。
カスタムされたチョッパーのハーレーに跨った2人が旅に出る話。
言わずと知れたロードムービーの金字塔。

若い頃の私はこれこそ自由だ!と鼻息を荒くしていたが、時を経ていざ自分が旅に使ったオートバイはチョッパーでも何でもない250ccだった。

Honda GB250Clubman(J型)
30km/Lを超える燃費と15Lタンクで500km近く無給油で走れた。
2011年群馬県の碓氷峠にて

GB250クラブマン。
小型軽量高回転の3K大好きホンダさんが何故かクラシカルな外見に見合わないDOHCセミカムギアトレーンのエンジンを積んでくれたお陰で、やたらと高回転型のバイク。
過走行やオイル管理が悪い個体は、カムチェーンのセンターカムギアのシャフトが振れてシリンダーヘッドを削りオイル漏れを生じる。

シリンダー上部の「RFVC」と書いてある上の丸い物がセンターカムギアシャフト。この付近からオイルが漏れている車体が多いが、設計上の弱点。止めようと思ったらオイルシールではなくシリンダーヘッドの交換となる。ちなみに私はエンジンごと交換した。写真は載せられる前の2号機エンジン。

鳥取県の米子市辺りでキャンプをして、翌朝早く国道9号線を北上していた時、60km/hの道路なのに地元車が100km/h超で流れており余りに煽られるので頭に来て全開にしたら盛大にオイルを吹いた。ジーンズにかかって熱いったらない。


バイク乗りのおまじないみたいな言葉に、
「漏れてるうちは入っている証拠」
と言うものがあるが、まさにこれである。漏れてるものは仕方ない。
本当にオイルを足しながらその後も走った。
北上を続け、埼玉の友人が住むアパートの駐車場で大手術が行われて、オイル漏れは止まった。

その後もエンジンを載せ替えるついでにカスタムを重ねて、最早ツーリングには最も向いていないカフェレーサー仕様に。
それでもめげずに2016年福岡-伊勢神宮ツーリングをやり遂げる。


とても良いバイクだったが、一つだけ気に食わないのは6速ミッションだ。
ガチャガチャとシフト操作が気忙しい。


この形のクラブマンは15Lタンクなので、一度ガソリンを満タンにしたら、500km近く走る
調子に乗って本当に休憩も取らずに一日中走っていたら振動障害で白蝋病になった。



※リンク先は一部ショッキングな画像を含みます

FCRキャブのファンネル仕様は、雨が降ると秒でエンジンが雨水を吸って止まる。パワーフィルターに変えても同じだった。

調子に乗ってレーシングキャブレターを組んでしまったが故に、雨でも風でも乗れるモノでは無くなってしまったが、時間があればもう一度きちんとやり直して乗ろうと思っている。
現在は倉庫で冬眠中。

いくらツーリングとは言え、走れ過ぎてしまうのも考え物だと気付かせてくれた大事な相棒。
それはセパハンだろうがバックステップだろうが変わらなかった。
なんだったら前輪の泥除けすら無いので水溜りなぞあれば地獄なのだが。


要は乗っていて楽しい事。
どんなアクシデントも不思議と笑ってしまうような。



どこまでも行ける!と初めて思ったけれど、
いつまでも行ける!訳では無かったオートバイの話。

一時期は色々なバイクウェアのメーカーが防振グローブを出していたが近頃は見かけなくなったので、林業用の防振グローブを使うようにしている。


ヘッダーの画像は2016年、埼玉の友人と初詣に伊勢神宮に行こう!と三重県鳥羽市のキャンプ場に現地集合した時の写真。

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