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家とペット

小学生の頃、猫を飼っている人の物語だと思って読み進めていると、猫ではなく少女を飼っている人だったという星新一の短編小説を読んだことがある。結末はたしか、飼い主との世界しか知らないから餓死してしまう(飼い主が危篤か何かで数日家を開ける時に、執事がその部屋に初めて入り、それが少女であることを知る。しかし人間の言葉を話せず、人間の食べ物を食べず、特定のことしか分からず、飼い主の元へ連れて行こうにも部屋から出なかった為、死んでしまう)。

そんな物語だった。
先日、なぜか思い出した。


最近東北の方で地震が多発している。南海トラフの前兆だとか、色々と憶測が飛び交う。また、おぞましい国の行為も画面越しで知る。

わたしが飼っている犬は、非常事態に逃げ遅れ、ひとりぼっちになってしまったら、どうなるのだろう。ひとりで亡くなってしまうのか、それとも賢いから考えて行動し、生き延びられるのだろうか。いま存在する家の沢山の問題を解決しなければ、前者になるのだろう。少しでも悲しませないように、変わらなければならないし、変えなければならない。

そんなことを問題が起きるたびに、人との現実の差が見えてしまうたびに、思うだけで終わる。憎い。

さすがに今年は変わりたい。

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