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VRを使った地獄組配置の検討

皆さんこんにちは、ND3MのAZUとコンソメです。
本日は「EMARFアンバサダー」として行っている地獄組取付プロジェクトにおける検討をVRで行った話です。
(地獄組取り付けプロジェクトの概要は別noteにまとめます。)

1. VRを使うメリット

VRを使うメリットは、いくつかあります。
1. VRを使うことでリアルスケールで対象となるものの大きさや色、空間体験を再現できる
これまでインテリアや建築はパースで何となく理解することしかできなかったことがより現実に近い形で体験できます。今回は違いますが、特に普段建築の図面やモデルに慣れ親しんでいない人には、絶大な効果を発揮します。
今回の場合、干渉のチェックが重要になってくるのですが、これも画面上ではなくVRで自分で動き回りながら行うことで、より簡単にチェックすることが可能になります。

2. 簡単で、正確である
今回はVRで体験できるデータを作るために、Twinmotionを利用しました。
モデリングソフトで形状を作り、書き出して、Twinmotionに読み込ませるだけで、あとはボタンをいくつか押すだけで簡単に素早くVRで体験することが可能です。

3. リアルタイムにVR空間上でテクスチャや配置など変更できる
今Twinmotionでは簡単な分、機能は絞られますが、目的に応じて他のツールも組み合わせることで、配置をその場で動かして検討することも可能です。

2. 準備

ここでは、実際にそのようなプロセスで行ったか簡単に解説していきます。

用意するもの

・3Dモデル(今回はrhino6を使用しています。)
・Twinmotion(学生は無料です。)
・VRが体験できるPC
・oculus Rift S
rift Sを選定した理由は手軽さです。ケーブルをPCに2本つなぐだけで、すぐに体験できます。(ケーブルがあるので完全に自由に動き回るというわけにはいきませんが。)

3Dモデルの用意
VRで体験するものをモデリングします。

素材や、部材ごとにレイヤーを分けておくことがポイントです。レイヤーごとに、違うマテリアルを割り当てておきましょう。

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今回は、地獄組をどのような配置で取り付けるかの検討です。
スケッチなどから4パターンに候補を絞り、Grasshopperを用いてパラメータで配置を調整できるようにしてあります。
そして、実際に歩いて検討できるように、それぞれのパターンを並べました。

この段階では、EMARFアンバサダーに選出される前で、ワイヤーで吊るなどの施工方法も検討していました。

Twinmotionの操作
今回は、Rhino6のプラグインである、Twinmotion Direct Link を使用します。ArchiCADなどにも用意されていて、とても便利なプラグインです。
使い方は下のサイトにわかりやすく解説されています。

Direct Link を使用しない場合 (Rhino5以前やプラグインが用意されていないソフトのとき)は、モデルデータをfbx形式で書き出せば、twinmotionに読み込むことができます。

Twinmotionに読み込まれたら、好みのマテリアルを割り当てていきます。後でも変更できるので、ぱぱっとやってしまいましょう。今回は、そのままでなにも変更せずに次に進みます。


3.VRで体験

ヘッドマウントディスプレイ(Rift S) をつないでおきます。

コメント 2020-07-24 223119

Twinmotionで、マテリアルなどを指定した状態です。
この状態で、右上の目のマークをクリックし、

コメント 2020-07-24 223138

VRアイコンをクリックして、下側に出てくるVRアイコンを再びクリックすると、Rift S に映像が映ります。
たったこれだけの手順でVR体験ができるので、とても手軽で、変更もその場ですぐに行うことができます。

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写真:デザイン案を体験する池本

実際ににクライアントに体験していただき、どのパターンが良いか検討していきます。
今回は先程から登場していますが、こちらに決定。奥に行くほど間隔が狭くなるデザインです。

コメント 2020-07-24 223628

歩きながら、実感を持って体験できるので、よりイメージが湧きやすいのではないかと思います。実際に設置された時に、どの場所からどんなふうに見えるのか、クライアントならではの視点でフィードバックをいただくことができます。

動画はこちらです。

まとめ

今回は、VRを用いて、設置パターンの検討を行いました。
このパターンをもとに、設置方法を検討し、地獄組の設置に必要な部材をEMARFをつかって制作していきます。

今回は配置のみのスタディでしたが、事務所の屋根には照明や ブレースなど、設置の障害になるものがたくさんあります、これらを避けながら配置を修正していくのですが、その過程でも、VRを用いて干渉のチェックを行っています。画面上ではなんとなく大丈夫そうでも、実際に見てみると、施工のときに干渉しそうだ、ということに気がついたりします。

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写真:設置予定の天井の様子

ND3Mとしては、初めての施工まで行うプロジェクトです。しかし、VRなどの技術を使うことで、経験や勘を補完してくれるのではないかと考えています。EMARFと同じく、VRなどもものづくりのハードルを下げてくれるものなのではないかと思います。

ありがとうございました。(文責:AZU, コンソメ )





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