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音楽配信サービスの比較【サブスク解説シリーズ②】

この「サブスク解説シリーズ」では、「第2回大文研実態調査」で調査対象だったサブスクリプションについて解説していきます。
第2回目は7つの定額制音楽配信サービスについて解説していきます。
※掲載されている情報は2020年12月14日現在のものです。
※実際にサービスを契約する際は、そのサービスのホームページをよく見てからお申し込みください。
※説明が長くなってしまったので、音楽配信サービスの選び方だけを知りたい方は「まとめ」を読んでください。

Spotify

・会員数(世界、2020年10月):3億2000万人(無料会員)、1億4400万人(有料会員)
・月額料金:980円(Standard)、1280円(Duo、同居カップル向け)、1480円(Family、同居家族6人まで)、480円(Student)
・楽曲数:約5,000万曲
・音質:最大320kbps

世界最大の音楽配信サービスです。大文研では無料会員で利用している人が最も多いサービスです。
Spotifyは無料会員でも時々広告が入るなどの制限がありますが、配信されているすべての楽曲を聞くことができるのが特徴です。
使用するデバイスによって制限が異なります。無料版の制限の詳細は下記のサイトで解説されています。

Standardプランは年払いも可能で、その場合は2か月分利用料金が割引されます。

YouTube Music

・会員数(2019年末):2000万人(世界、YouTube PremiumとYouTube Musicの合計)
・月額料金(税込):980円(通常)、1480円(ファミリー、6人まで)、480円(学生)
・楽曲数:非公開
・音質:256kbps(AAC)

YouTubeが提供する音楽配信サービスです。2020年末に「Google Play Music」が完全終了し、この「YouTube Music」と統合する予定です。
「YouTube Premium」に登録している場合はYouTube Musicの有料版を利用可能です。

配信されている曲だけではなく、YouTubeに投稿された音楽コンテンツも聴くことができるのが特徴です。ミュージックビデオやライブを視聴することも可能です。(一方で一般ユーザーの「歌ってみた」「弾いてみた」が出てきてしまうのは難点です。)

無料会員でも、曲の間で広告がありますが、全ての楽曲をフルで聴くことができます。上限もありません。ただ、バックグラウンド再生はできません。

一部の楽曲でしか歌詞表示に対応していないのは難点です。また、iOSのアプリからApp Store経由で有料会員を申し込むと割高になるので、Safariなどのブラウザから開いて申し込む方が良いです。

YouTube Musicは「AAC (Advanced Audio Coding)」という音楽圧縮技術を採用しており、MP3よりも音質は良いと言われています。音質が最大256kbpsと他社の最大320kbpsより劣っているように見えますが、ほぼ変わらないと思われます。(実際に筆者が聴き比べてみましたが、よく分かりませんでした。)

LINE MUSIC

・会員数(2020年6月):160万人
・月額料金(税込):980円(プレミアムプラン)、500円(ベーシックプラン)、1480円(ファミリープラン、6人までプレミアムプランを利用可能)、学生はプレミアムプランが480円、ベーシックプランが300円
・楽曲数:7000万曲以上
・音質:最大320kbps

エイベックス・デジタルとソニーミュージックエンタテインメント、LINEの3社の共同出資により設立された「LINE MUSIC」が運営しています。国内では順調に会員数を増やしています。特に10代後半から20代前半の若いユーザーが多いです。

ベーシックプランはAndroidだけが利用できるプランで、再生時間が月20時間までに制限されていますが、その他の点ではプレミアムプランとの違いはないです。
無料のフリープランでは広告なしで各曲を月1回までフル再生をすることができます。(2回目以降の再生は30秒のみ)
プレミアムプランとファミリープランは年払いも可能で、その場合は2か月分利用料金が割引されます。

LINE内のアプリなので、LINEの友だちにお気に入りの曲をシェアできる、LINEのプロフェールやトークルームにBGMを設定できる、LINEの通話の着信音(LINE着うた®)の設定ができる、といったLINEと関連した機能が充実しています。

Apple Music

・会員数(2019年6月):有料会員数が6000万人を突破(世界)
・月額料金(税込):980円(個人)、480円(学生)、1480円(ファミリー、6人まで利用可能)
・楽曲数:7,000万曲以上
・音質:最大256kbps(AAC)

Appleが提供する音楽配信サービスです。世界ではSpotifyに次いで2番目に普及しているサービスです。大文研では有料会員になっている人が最も多いです。
最大の特徴はiOS標準搭載の「ミュージック」アプリから利用できる点です。(もちろんAndroidやWindowsからも利用可能です。)iTunes Storeで購入した曲やダウンロードした曲と一緒にApple Musicの曲が管理できます。

個人会員は年払いも可能で、その場合は2か月分利用料金が割引されます。

Apple MusicはYouTube Musicと同様に、AACという音楽圧縮技術を採用しています。音質が最大256kbpsと他社の最大320kbpsより劣っているように見えますが、ほぼ変わらないと思われます。

Amazon Music

・会員数(2020年1月):5500万人(世界、無料会員などを含む)
・月額料金(税込):980円(個人、プライム会員は780円)、1480円(ファミリー、6人まで)、480円(学生)、1980円(HD、プライム会員は1780円)
・楽曲数:約200万曲(Prime Music)、約7000万曲(Unlimited)
・音質:Free、Prime、Unlimitedは最大256kbps(AAC)、HDは最大3730kbps

Amazonが提供している音楽配信サービスです。無料プラン(Amazon Music Free)でもフル再生が可能ですが、選曲ができずプレイリスト再生のみ、楽曲スキップは1時間に6回まで、広告がある、といった制限があります。

「Amazon Prime Music」はAmazonプライム会員であれば追加料金なしで利用することができます。こちらは無料会員のような制限はありません。ただ、楽曲数は約200万曲で少なめです。

「Amazon Music HD」ではHD音質(850kbps)で楽曲が提供され、一部の楽曲はUltra HD音質(3730kbps)で提供されています。

またAmazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズと連携させることもできます。Echoに話しかければ楽曲を再生させることができます。EchoだけでAmazon Music Unlimitedが利用可能な「Echoプラン」があり、こちらは月額380円(税込)でお得です。
Echoを持っていなくても、Amazon Musicアプリに話しかけることで楽曲を再生することが可能です。

AWA (アワ)

・会員数:非公表
・月額料金(税込):980円(一般)、480円(学生)
・楽曲数:約7,000万曲
・音質:最大320kbps

サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立された「AWA」が運営しています。

無料のFreeプランでは、楽曲の盛り上がる箇所90秒間を途切れることなく聴くことができます。再生は月20時間まで可能です。
一般プランは年払いも可能で、その場合は2か月分利用料金が割引になります。

ANiUta (アニュータ)

・会員数:不明
・月額料金(税込):600円
・楽曲数:約10万曲
・音質:最大320kbps

ランティス(バンダイナムコアーツのレコードレーベル)、フライングドッグなどが共同出資して設立した「アニュータ」が運営しています。アニメ関連の楽曲に特化した音楽配信サービスです。

他社では配信されていないアイドルマスターの楽曲(ゲームサイズのものも多いですが)が配信されているなど、アニメ・ゲーム関連には強いです。
一方で、SACRA MUSIC(LiSAさんの『紅蓮華』など)、キングレコード(ヒプノシスマイクなど)の楽曲は未配信です。(他社のサービスでは配信されています。)

無料コースもありますが、フルサイズで試聴することができません。

パソコンからは利用できないのが難点です。

まとめ

動画配信サービスとは異なり、ANiUtaのような特定の分野に特化したサービスを除くと、どの音楽配信サービスでも楽曲数に大きな違いはありません。
有名な曲がサブスク解禁となる場合、大手のサービスであれば共通して解禁されることが多いです。

上記の記事では、『涼宮ハルヒの憂鬱』関連楽曲の配信を開始したサービスが記載されていますが、大手のサービスは全て掲載されています。

【配信サービス】
Apple Music/Spotify/Amazon Music/YouTube Music/LINE MUSIC/AWA/KKBOX/うたパス/RecMusic など

また月額料金、音質にも大きな差はありません。そのため、これら以外の面でどのサービスを使いたいかを考えていくことになります。

無料で使いたいのであれば、フル再生と歌詞表示が可能なSpotifyの無料会員がおすすめです。

有料であれば、iTunesをよく使っている人はApple Musicがおすすめです。
高音質で利用したければ、Amazon Music HDです。
あとはアプリの操作性やレイアウトの好みの問題になると思うので、とりあえず気になったサービスを試しに使ってみると良いです。(どのサービスも無料体験期間があります。)

筆者はLINE MUSICを学生会員で利用しています。AndroidとWindowsを使っていて特にこだわりが無かったので、一番無料体験期間が長い(3か月)LINE MUSICを使い始めてみました。今のところ、問題なく快適に使えています。

参考文献

おまけ:今年最も聴かれた曲は何か?

以下のnoteでは、LINE MUSICで今年人気だった曲がまとめられています。(集計期間:2020年1月1日~11月10日)

以下が総合ランキングの1~5位を抜粋したものです。

1位 Official髭男dism「I LOVE...」
2位 YOASOBI「夜に駆ける」
3位 DISH//「猫~THE FIRST TAKE ver.~」
4位 NiziU「Make you happy」
5位 瑛人「香水」

興味深い結果だと個人的に思ったのは以下のプレイリストランキングです。

1位 2019 BEST 日本語ラップ100 DJ YANATAKE
2位 TikTok 人気曲10【2/4】 TikTok
3位 『ハイキュー!!』シリーズOP&ED曲 BARKS
4位 TikTok HOT SELECT Tiktok
5位 JKがTikTokで好きになった曲 LINE MUSIC部

TikTok関連のプレイリストが3つも入っています。本文中でも触れましたが、やはりLINE MUSICは若いユーザーが多いのだと実感しました。

筆者はランキングに入っている曲はほとんど聴いていなかったですね…。主にバンドリや声優さんの楽曲を聴くためにLINE MUSICを活用しています。
今回はバンドリで好きな曲の公式ライブ映像を2つ下に貼っておくので、もし良かったらご視聴ください。

アイマスの楽曲もサブスク解禁していただけるととても嬉しいのですが…。

次回は動画サイト(YouTube、ニコニコ動画、OPENREC)の有料会員について解説する予定です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

(文責:ざっくぅ)

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