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教育メモ⑤ 先生の時差ボケ問題

 教師を辞めて2か月になりますが、現役のころからずっと慣れない現象があります。
 夕方5時~7時に電車やバスが混むことです。「え?もう皆帰るの?」といまだに驚きます
 全員じゃないけど、教師の多くはこの時間に帰宅する感覚がありません。
 世間では当たり前なあの混雑に慣れているのは、公立で顧問拒否に成功した人や、一部のホワイト私立くらいじゃないかと思います。 
 教師時代、たまに駅であの帰宅の群れに遭遇すると「波平もマスオもアニメやから早く帰ってるんやと思ってたわ・・・そら教師は離婚率高いな。」と思いながら白目向いて揺られていました。結婚もしてないのに。
 若い時はその群れに遭遇しても「早く帰れて嬉しい」とか新鮮な気持ちでいられるんですが、35を超えたあたりから「このまま働いてて良いのか」と揺さぶられます。でも学校の中にいて、ブラックな環境を自分なりに改善しようと思ったら前向きに考えるしか無くて、無理に楽しんでたところがありました。 
 この間も失業保険の関係でハローワークに行った時に「再就職、フルタイムとパートどっちがいいですかね?」と聞かれて
 「あの、正直世間のフルタイムと言う感覚が解らないんです。」とバカ正直に答えてしまい、担当者から「大変でしたね・・・」と同情されてハッとしました。担当の人ごめんなさい。
 我ら教師の「フルタイム」って「文字通りのフルタイム」なんですよ。土日も仕事、出張、引率、平日12時間勤務当たり前で過ごしているので世間と感覚が乖離しています。同じ日本で働いているのに、そこには明確な時差があります。
 通ってたマッサージ店も心療内科も似たようなフルタイム営業なので「この人達いつ休んでるんやろ」と思いながら、24時間スーパーや駆け込んだヨドバシカメラで死んだ目をした店員さん相手に買物をしていました。まぎれもない「時差」の中の生活でした。
 あれほど好きだった教職(自他ともに認めるド変態)。戻るのがだんだん怖くなっています。

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