日記#100高齢者とシニアカーそして私が考えた事
私は送迎車に乗り込んだ母を送り出し
部屋に掃除機をかけた。
いつもの事だ。
それから買い物に。
その日はスーパーとホームセンター、そして最後にもう一件ショッピングセンターに。
ここのショッピングセンターはめったに行かないがこの日はちょっとホームセンターの側にあるので寄ってみたのだった。
ショッピングセンターの駐車場近くになったのだが、なかなか前に進まない。
そこは左側に田んぼ、右側にはガソリンスタンド。そのスタンドの手前の路地を曲がった先が駐車場なのだが、なにやらごった返している。
不思議に思いながらちょっとずつ進む車を私は運転していた。
そうこうしているうちに、対向車線沿いの路肩に急に停める車がいた。すぐに運転席からガタイの良い男性が降りてきて、私の車の前方に歩きだし田んぼの方へ行きたそうにしていた。
アイコンタクトでどうぞと合図をする。その男性は私の車の前を斜めに横切り田んぼに向かった。
その先に見えたものは、息を飲む光景だった。
私の車は先ほどより5メートル程進んだだろうか。見えなかった混雑の原因が見えてきたのだった。
左側には田んぼが広がっている。路肩には宅配会社のロゴが入ったトラック。
その後方に高齢者が使うシニアカー。
そして田んぼの中に高齢者の男性がポツンと座り込んでいた。
田んぼと道路の境目には柵やガードレールなど無く段差が30センチほど。直接田んぼに入れてしまう状態に見えた。
詳しい状況は分からなかったが、間違いなく高齢者の男性が田んぼに落ちてしまっていた。
シニアカーに乗って移動していたであろう高齢者男性は、段差30センチ程ある田んぼに道路から落ちてしまったのだろう。
この状況では転倒が、車が関係するのか、単独でなのかは分からないが、座り込んでいる高齢者の意識はある様子。
シニアカーだけがポツンと車道にある。
シニアカーと高齢者男性は運転中に田んぼに落ち、誰かが高齢者よりも先に引き上げたのだろうか。
回りにはガソリンスタンドのスタッフや配送会社の車のドライバーだろうか。
作業着を着た数人の男女がさてこれからどうやって助けようかと相談しているような感じだった。
先ほど私の車の目の前を横切ったガタイの良い男性は、状況を見てとっさに身体が動いたのかもしれない。
もしかすると救命救助の経験のある方かも知れない。
私は何も出来なかった。
びっくりするのと同時に無事を祈るしかなかった。
後にその場所を再度通ったが、すっかり何も無かったように落ち着いていた。
シニアカーだけが持ち主を失い、ガソリンスタンドに佇んでいた。
その高齢者は意識はあるようだったが、救急車を呼んでもらって病院へ搬送されたのだろうか。
高齢者の転倒は骨折している可能性が高い、祈る気持ちでその場を離れた。
私はその後自宅に無事に帰宅し色々な事を考えた。
自分の運転中に同じようなケースに遭遇したらどうすべきなのかという事。
これからの日本は高齢者が増える。
車の免許返納後の移動手段の事。
道路の整備の事。
私1人の問題ではないがきっと深く考えなくてはならなくなるのだと思った。
それと同時に、救助に駆けつけてくれる人を目の前で見て、やっぱり日本っていい国だなと改めて思った日だった。
皆様が安心安全な毎日が送れます様に。
台風も接近しているようなので気をつけてお過ごし下さい。
読んで下さってありがとうございます
今日も明日も良いことがありますように(千日紅)