私の独り言⑳今まで書けなかった主人の話/働き盛りの皆様へ
これまで、母や父や子供達や自分の事を主にnoteに綴ってきた。
今まで書けなかった主人の事を書こうと思う。これまで書く事を躊躇していた。
書いては消し、消しては書く。
投稿出来ないまま約半年。
書く事で何かが変わるかもしれない。
何も変わらないかもしれない。
結婚して10年程は子供にも恵まれ何も心配の無い生活だった。
本当に絵に描いたような毎日だった。
主人は優しくて楽しくて怒るとちょっと怖くて頼りになる人だった。
ある日主人は事故にあってしまった。
骨折して入院。
なんとか退院できるまでに回復した。
命を落としていてもおかしくない状態での奇跡的な生存。
数ヶ所の骨折だけで済んだ。
しかし同乗していた方が4人中2人亡くなってしまった。
事故のショックでPTSDとなり今までの生活が出来なくなってしまった。
人と会うと震えて何も見れない、話せない。
家族との接触すら拒み自分の部屋に籠り、ドアにもついたてをしてしまう。
夜暗くなると怖がる。
何かあるとすぐ怒り機嫌が悪くなる。
気力が続かない。
色々な症状が現れていた。
それまでとは全く違う人格。
私達家族は何も出来ず、そっと怒りに触れない様にしていただけだった。
その頃の息子が描いた絵がいくつか残っているが、どの絵も約2年位黒や紺や紫や茶色で塗り潰されている。
心理的ストレスの現れなのだろうか。
暗黒の時代。
家から笑い声が消えた。
主人は心療内科に行きカウンセリングに通ったりもしたが、勤めていた会社には事故後1度も行けないまま辞める事となる。
心が壊れると身体も悲鳴をあげ、肝硬変が発覚。
実は私は余り理解していなかったのだが…主人は会社の健康診断で肝臓の数値が悪く毎年再検査となっていたのに忙しいからと医師にみせていなかったのだ。
次第に悪化。入院。
腹水がたまり、意識朦朧となる。
医師からは「肝臓移植をするか、新薬が出来るのが早いか…後は残念ながら望みはありません」といわれてしまう。
死と背中合わせの毎日。
肝臓移植は家族間の生体肝移植が可能だが、家族・親族皆、ウイルスを保有していたり血液型が違っていたりで出来なかった。
後は脳死患者からの臓器提供。
そこまでして生きるべきなのか考える事となる。答えは出ない。
脳死患者からの臓器提供希望の登録をする事に。
腹水を抜いたりアルブミンを投与したりの綱渡りの様な日々を過ごしていた。
脾臓を摘出する事で改善するかもしれないと提案され手術を実施。
主人は、まだ生きて頑張らなくてはいけないらしい。
二度目の奇跡。
命の火がまた灯り始めた。
術後、劇的に回復した。
新薬も味方した。
事故から5年たっていた。
命は繋がりなんとか日常を取り戻し、家での生活が出来る様になった。
車の運転が出来るまでに回復した。
しかし肝硬変は病状軽減はしても完治しない病気。
PTSDも完治できていない。
今までのような社会人としての生活はやはり出来なくなってしまった。
生きているだけでもいい。
そう思うようにした。
見た目は元気そうに見える。
私の母や色々な知人から「何で働いていないの」と言われる様な事も多々あった。
働ける体力も精神力も無かった。
まずは私がヘルパーの資格を取り介護の仕事で家庭を支えると頑張ってみた。
ヘルパーをしていない時には宅配弁当のパートに行ってみたり。
下の子供が中学生になってからは正社員のデイサービス職員として必死に働き、子供達を育てた。
今その事故から約20年の月日がたった。
私は去年から私の母の介護も始まり、仕事も辞め貯金を潰しながらの生活。
なんとかやっていけているのは、子供達がそれぞれ一人立ちしてくれたおかげ。
主人は現在も主に肝硬変、糖尿病の治療をしながら日常生活を送っている。
動くと疲れやすく、すぐに「キツい、疲れた」が口癖のように頻繁に口からこぼれる。また低血糖、脱水症状なのか血の気の引く様な体調不良が常に起きる。
また情緒も不安定。思うようにいかないと自分の気持ちをコントロール出来なくなり人にあたったり、心を閉じてしまう。
主人は助けてくれない。
頼りに出来ない。
私は自分の力で家族を守る。
そう決めた20年前。
私は強くなった。優しくもなった。動じなくなった。頼もしくなった。泣き言を言わなくなった。
これからまだまだきっと一生、病気との戦いは続く。
私は母の介護と主人の体調管理をこれからも続けていく。
働き盛りの方々へ
自分の身体大切にしていますか。病気は酷くなってからはなかなか治らない。治らないどころか、命の危険すらある。
今の仕事が忙しいからと避けていませんか。会社はあなたの命を守ってはくれません。あなたがいなくても会社は動いていきます。自分の身体を自分で守ってください。まず自分の為に。そして家族の為に。大切なパートナーの為に。
もし金銭的に大変な時は家族や行政に頼りましょう。元気になればまた働けます。
もちろん治らない病気もある。そんな時も皆を頼ってください。
特に今はコロナという得体の知らない病気で沢山の方が命を落としています。
どうぞ困った時は皆を頼ってください。
あなたが辛そうにしているのをそっとみてくれている人が必ずいるはずです。
私も…心から応援しています。
読んでいただきありがとうございます
今日も明日も良いことがありますように
サポートありがとうございます