【プログラミング】ハードウエアを叩く話。
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2022年3月20日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、
「【プログラミング】ハードウェアを叩く話。」
というものです。
叩く!
コンピューターの世界にはなかなか興味深いスラングがよくあります。
僕は OS の中にあるデバイスドライバーの開発を経験したことがあり、その時によく「叩く」という言葉を使っていました。
デバイスドライバーは比較的モダンな OS の世界ですが、僕のハードウェアを叩く経験はもっと前で、
学生の頃 TK-80 というワンボードマイコンを使ってそれに接続したプリンターに文字を打つというものでした。
プリンターに 1 文字印字させるというのは案外大変です。
まずは、プリンタのポートというところに初期化データを書き込みます。
ポートに書き込むというのは、そのポートに対応する信号線を介して、データをプリンターのハードウェアに送るということです。
いくつかのデータを送ると、プリンターの印字準備ができるので、そこで初めて印字したい文字のコードをポートに書き込みます。
するとプリンターが動いてパチンと文字が紙に印字されます。
たった 1 文字を送るだけでも、ちょっとした量のプログラムを書く必要があります。
今はそういう煩雑な部分を OS とデバイスドライバーがやってくれるので、
僕たちが書くプログラムからは、
「このファイルを印刷しろ」
っていうコマンドを送るくらいで済むわけです。
さて、このポートにデータを送る操作の時に「叩く」という言葉を使っていました。
この感覚、なかなかピンとこないかもしれません。
手で触れる感覚
ソフトウェアの世界は案外それだけで閉じている感じで、頭の中で動いているような感じというか、手で触れる感触が乏しいものです。
今でこそタッチパネルみたいな直感的なデバイスを誰もが使いますが、それでも入力と出力の間に何かいるようなもどかしい感じがすることがあるでしょう。
そんなバーチャルな感触の世界から、本当に触ることができる形のあるものをプログラムで動かす、というのは結構特別な感じがあったのです。
そういう気持ちの上での実感みたいなものを表現した言葉が「叩く」というものではないかと思うのです。
今でも決め手となるコマンドを実行する時に、エンターキーを必要以上に「ターン」と打つ人がいると思います。
そういう感触がハードウェアを動かす時にはちょこちょこ得られるので、「ハードウェアを叩く」という言葉、割と好きなんです。
こういう世界は、今は低レイヤのプログラミングと言います。
僕が TK-80 でやったようなことを、今はRaspberry Piみたいな安価で優秀なマイコンボードで試すことができます。
まあ、少しだけ専門的な知識とプログラミング知識は必要ですが、自分で配線した LED をプログラムで光らせることができたというのはなかなか得がたい体験になるものです。
プログラミングを学ぶなら、そういう世界があるということをちょっと知っておいて良いと思いますよ。
おわりに
読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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