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予定日超過

予定日を過ぎても一向にうまれてくる気配がない。もう10日以上過ぎている。

日が経つにつれて、作り置きした食事やら買いだめした生活用品やらをじわじわ開封し、また新たにストックし直さないといけない。
出産入院にむけて予定日に照準を合わせていつもより念入りに掃除しておいた家の中も、また散らかったり汚れてきてしまっている。
周りからはまだかまだかと訊かれる。
予定日の近かった友人知人等はもうとっくに出産を済ませ、ほやほやの新生児をSNSに投稿したりして幸せそうだ。

7月に入ってから特に不安や焦りは強まった。
出産に向けてのモチベーションは下がりまくっている。こんな精神状態で子供をあたたかく迎えられるのだろうか。
夫がいままでと変わらずゆったりと構えてくれていることだけが唯一の心の救いで、そばにいてくれることでなんとか自分を保っていられる。

今日から誘発分娩のための入院をする。
誘発を開始したとしてもそこからどのくらい時間がかかるのかは全く分からない。母子ともに散々苦しんだ挙句結局帝王切開という可能性も十分考えられる。安全にうまれるという絶対の保証もない。「誘発分娩 リスク」で検索しまくっては恐怖に打ちひしがれている。

なぜこんなにも遅れているのか理由がわからないのも不安の要因になっている。
私の骨盤の形状が悪いのか。胎児に臍の緒が複雑に絡まっていて下に降りてくることができないのか。だとしたら誘発分娩という処置の意味はあるのか。最初からさっさと切って出してもらうほうが効率が良いのではないか。

この焦りが胎児に伝わっていることによって余計に出てこないのかもしれない。だが正直、全く出てこようとする気配が感じられない胎児に対してすら若干の苛立ちをも感じ始めてしまっている。せっかくこれから満を持して誕生してこようとしてくれている家族にそんなふうに思ってはかわいそうだという気持ちもある。でもこんなにやきもきさせるなんて、この子は私のことが嫌いなのでは…無事にうまれてくれたとしても、気が合わないのでは…というネガティブな思考でいっぱいだ。

ごちゃごちゃ考えはじめればキリがないので、とにかく現代医療の力を信じて出すしかない。
それだけなのだが、その瞬間までに私たちにどれほどの苦しみや予想外のことが待ち受けているのか分からなさすぎて、やっぱり不安だ。

これからいよいよ親になるというのに、ここへきてこんなにも覚悟が足りていない自分が露わとなり、そんな自分のことがさらに嫌いになり、どんどん気持ちが弱まってしまっている。

#妊娠 #妊娠生活 #日記 #予定日超過 #誘発分娩

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