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G-1グランプリ2022について色々と(発表時、予選、決勝の感想など)

「いつか(芸歴15年+も出られる)新しい大会がまた出来る」

2015年、推しの最後のM-1が終わった後の出待ちで言われた言葉です。

その時の私は失意のどん底でした。漫才の大会が芸歴無制限だったTHE MANZAIから芸歴制限があるM-1に切り替わったのがただでさえ嫌でした。何もかも納得できなかったし、本当に心底から悔しかったです。(だからまたM-1の予選に足を運ぶ日が来るの当時は思っていませんでした)

しかしそう言われた時、根拠はないがいつかあの言葉通りの大会ができるかもしれないと思い、前向きに気持ちを切り替えることができました。

そこからはより応援の気持ちを持って積極的にライブに足を運ぶようになりました。どんなにライブシーンで世代交代があってもライブの感想やアンケートを通して芸歴15年+世代を推していました。そうでもやらないともうライブで見ることが出来ないかもしれないと当時は過剰なくらいすごい危機感を持っていました。

でも希望を持ち続け諦めない限りいつかその大会ができる未来に立ち会えるかもしれない。先が見えない中、いつしかあの言葉がライブに足を運ぶ中で1番大きな支えとなっていました。

待望だった大会「G-1グランプリ」の開催発表

あの出待ちから約6年、ついにあの言葉通りの大会が開催される発表があった。

メジャーな賞レースの大半が芸歴の上限を設定している中、流れに逆行して芸歴15年以上の芸人さんのために設立されたのがこのG-1グランプリ。


開催発表動画でも発起人の島根さん、K-PRO代表の児島さんからの意気込みと思いがすごく伝わりました。ついに待ち望んでいた大会が現実になった。

特に漫才師のファンは最後のM-1ぶりにもう1度推しを賞レースで応援する機会がまたやってきた。自分だけでなく、この世代を推しているフォロワーさんの顔が沢山浮かびました。

G-1が発表された後はまた推しのライブに行くことが楽しくなりました。結成1年目縛りのネタライブで絶対的な強さを見せつけた。年始に放送されるお笑い特番も準優勝だった。若手に混じって参戦しているバトルライブでは漫才の新ネタを下ろした。G-1グランプリへの参戦の伏線だと思い込んでいた分、数年ぶりにわくわくしている自分がいました。来年の頭はG-1に捧げよう、予選もちゃんと行けるように調整しよう。やっと7年越しに推しが漫才で挑む賞レースを客席から応援できる。

…と思っていた。

去年の年末、某配信で推しが大会の不参加を表明した。発表の仕方を含めてすごくショックを受けてしまいました。ずっと支えになっていた「いつか出来る新しい大会」にも当然いると何処かでずっと思っていました。後々参戦が難しい諸事情が判明したが、(わがままと分かっていながらも)気持ちをどう切り替えていいか分からなくなってしまいました。

現実を受け入れるまでには時間かかりましたが、それくらい本気に見たかった未来を見るためにずっと諦めずライブに行ってたんだなと実感しました。

しかしG-1グランプリ自体のことは全力で応援したい、大成功してほしい気持ちはいっぱいありました。出場を決めた芸人さん全員に頑張ってほしいと思ったし、「また賞レースで推しを応援できる」って喜んでいたフォロワーさんに対しては心からおめでとう、よかったねって思いました。参加する芸人さん、応援しているファンが全員キラキラに見えました。

1回戦、2回戦は若手をMCに抜擢した采配

準決勝、決勝は水曜日のダウンタウンの企画を通して仲直りしたばかりのおぼん・こぼんがMCを担当することが発表された。

普段K-PROライブでMCしている芸人さん達も大半は今回は出場者側である。そうなると1回戦と2回戦は誰がMCやるんだろうと気になりました。

*1/20はストレッチーズ→ひつじねいりに変更。

なるほど、そう来たか!従来の賞レースとは真逆の発想に脱帽しました。従来の賞レースだとベテランの芸人さんがMCをやる所をベテランが主役であるG-1グランプリの1・2回戦のMCは賞レース現役バリバリの若手芸人が担当する。このアイディアを出した人には盛大な拍手を送りたいです!

先輩しかいないライブ(予選)でモンローズがどんなMCするか気になっていたので、彼らがMCを担当した1回戦(1/26)を見に行くことにしました。

予想外の形でG-1グランプリの予選を見に行くことになってしまいましたが、予選も全出演者が芸歴15年以上ということもあり今まで足を運んだ賞レースの1回戦の中で1番ハイレベルな現場でした。芸歴15年以上の世代のライブを中心にずっと通っていたにも関わらず大半の出演者が初見で改めてライブシーンの世界の広さを感じました。

緊張感ある中モンローズのMCもいつも若手バトルライブ(SSゴールドステージなど)の時と雰囲気変わらず楽しかったです。楽屋の先輩情報だったり、急遽その日出れなくなってしまったTAIGAさんの名前をちょくちょく出すなど愛を感じました。

この日1番グッと来た場面は最後モンローズが1回戦の合格者を読み上げた所。お2人が1番お世話になっているであろう先輩「エルシャラカーニ」と読み上げた時は少し泣きそうになりました。

劇場を出る際、客席の後方にコンビで並んで座っているエルシャラカーニを見かけました。厳しくも愛を持っていつもモンローズを見守っている清和さん。結果発表を読み上げているところを見守っていたと思うとまた泣きそうになりました。(師弟関係に弱すぎるって)

1・2回戦のMCの人選、もしかしたら従来のライブとは逆で「いつもナルゲキロックスなど若手中心のライブを見に行っている人達にも予選を見に来てほしい、ベテラン世代を知ってほしい」という運営からの思いが込められていたかもしれないとも思いました。

楽屋が先輩ばかりで緊張はあったと思いますが、MCに抜擢された5組にとってとても貴重な経験になったのではないかと思います。来年以降のG-1グランプリでも継続してほしいです!

決勝戦は僅差になるくらいハイレベルだった

結局予定などの都合で現地で唯一見に行けたのはモンローズがMCだった1回戦の日だけでしたが、第1回の決勝はちゃんと見届けたいと思い配信のチケットを購入しました。

*配信アーカイブは4/17まで視聴可能

とにかく会場のセットがメジャーの賞レースに負けないくらい豪華になっていることにびっくりしました。それくらい本気にこの大会を成功させたい思いが伝わってきました。

OPも全員ベテランということもあってお互いに負けたくない気持ちもありつつ終始笑いありの和やかな雰囲気だったのもよかったです。本当に誰が優勝してもおかしくないくらい決勝メンバーは実力者揃いでした。

アモーン (9位/450点)

今回の決勝メンバーの中で1番芸歴が若かったのはアモーンでした。豪華セットに負けないくらい金ピカな関口さんと田村さんのスーツ。「最強漫才師」シリーズのネタは毎回印象に残るし笑ってしまう。今回芸歴20年前後の世代が決勝メンバーの大半を占めた中、15年超えたばかりのアモーンが入り込めたことは大会にとってすごく良いことだと思いました。

あとはコンビ揃ってエゴサのスピードが早いって毎回感じます(笑)。またライブで金ピカスーツ見たいです!

エルシャラカーニ (8位/469点)

ここ1年沢山お世話になったエルシャラカーニの2人。レンタル清和を通じてモンローズを応援することに対して悩みを聞いてくださって背中を押してくださった清和さん。マキオカリー46号店で沢山お世話になったしろうさん。決勝のメンバーが発表された時1番嬉しかったのがエルシャラカーニでした。

どんなに周りの若手にいじられてもずっとストイックに4分ネタの漫才を作り続けていた清和さん。トップバッターの「方言クイズ」も決勝に勢い付ける最高のトップの漫才でした(このネタのしろうさんの唐突さもすごく好きです)!

最近は清和さんがネタ見せなど後輩の育成の方にも力入れてますがまだまだ沢山のライブで漫才見たいです!これからも応援します!

マエノさんがお誕生日プレゼントで渡したネクタイを清和さんが決勝の舞台で着けていました…どこまで後輩思いなんですか(泣)!(後日のGETライブで話したとあるエピソードには笑ってしまいましたが)

三拍子 (7位/471点)

今回磁石と同じく優勝候補の本命に上げていたのが三拍子。今でも定期的にライブ出てるし、舞台に加えて毎週生配信で漫才を披露するなど同世代の中では1番色んなプラットフォームを活用している印象が強いです。

決勝でやったファミレスのネタはノリノリな高倉さんの歌に乗せて久保さんがキレッキレの合いの手を入れる最高に楽しい歌ネタ系の漫才でした。視聴者投票でも1位を取り、正直上位に絶対入ると思ったので7位に呼ばれた時は驚きました。

特に今回のG-1グランプリですごく感じたのは高倉さんの大会に対する意気込みとチャレンジ精神でした。決勝の数日前からはインスタライブやRadiotalkで決起集会をやったりなどもやってすごいと思いました。ちゃんとファンの人達の三拍子を応援したい気持ちも汲み取って大事にしていました。

三拍子のすごい所はM-1終わった後でも長年のファンが応援し続けていると同時に毎週やっているYouTubeの生配信などを通じてちゃんと新規ファンを迎え入れている所だと思います。ファンを大事にしつつ常に新しいチャレンジをしているからこそ楽しいが途切れないイメージがあります。

決勝の視聴者投票、現在行われているアーカイブ配信対決で感じるのはファンや仕事仲間からの三拍子への「いいね」数の協力の呼びかけが他の組に比べて多いこと。日頃から仕事に真面目に向き合っている、愛されているからこそ協力したいと思ってくれている人があれだけ沢山いることは凄いことだと思います。1000人キャパの会場での単独ライブ、何かしらの形で実現できますように!

TOKYO COOL (6位/472点)

ぐんじんさん主催ライブ、げんしじん事務所主催ライブに行くようになってから見る機会が増えたのがTOKYO COOL。若手に負けないくらい元気があり溢れてるカンカンさんと前すすむさんが繰り出す適当かつ楽しいノンストップボケには休む間がないくらい沢山笑いました。

モンローズのライブに行くようになってからはK-PROさん以外の主催ライブに足を運ぶことが増えました。特に企画コーナーがないライブだと1ブロックに10組のネタを連続で見るというシチュエーションも少なくなく、慣れてない頃は長く感じて笑い疲れてしまうこともありました。

でもどんなに笑い疲れててもTOKYO COOLのネタを見るとびっくりするくらい元気を取り戻す。それくらいの凄まじいパワーを毎回2人の漫才から感じます。

や団 (5位/474点)

や団はラママの準一本ネタコーナーの常連の印象が強かったのか、最初1回戦の出場者のリストを見た時「芸歴15年超えているんだ!」(芸歴17年目)と気づいた組の1つでした。決勝でやったドッキリのネタも直前の雑音フェティッシュ(4/8)で見れたばかりなので嬉しかったです。

決勝メンバーの入賞組(5位以内)の中で唯一芸歴20年以下だったのがや団。芸歴20年超えの組が多い中すごい快挙です!

なすなかにし (4位/475点)

まず中西さんが無事決勝の日まで体調復活できてよかったです!今回の決勝メンバー、誰も欠けてほしくなかったので全員この日健康に迎えることが出来て安心しました。あの挨拶シリーズは延々と見れるくらい楽しいです。

なすなかにしも長年松竹の事務所ライブに通っていた頃からずっと見ていたので今回の決勝進出も嬉しかったです。三拍子と同じくなすなかにしも長年のファンがまだしっかり応援しているイメージが強いです。従兄弟同士の仲の良さ、平和でほんわかな雰囲気なので安心して見れるのがお2人の良い所です。

だーりんず (3位/476点)

漫才の組が多い中、3位に入賞したのがだーりんず。決勝でやったりんすさんのカツラを活かしたコントはいつ見ても泣き笑いしてしまうくらい好きなネタなので見れて嬉しかったです!あの爆発音はずるいって!

流れ星☆ (2位/482点)

今回のG-1グランプリで1番意外だったのが流れ星☆の参戦でした。

決勝のメンバーの中ではどちらかと言えば「売れっ子」のイメージが強くなった流れ星☆。それでもまたこういう大会で漫才で勝負する姿がすごくカッコよかったです。

決勝でやった漫才も新ネタでした。直前の配信トラブルもあったりと大変だったと思いますが最高のトリの漫才が見れました。流れ星☆のネタの頭から配信を再開してくださったスタッフさんにも感謝です。

アフタートークの配信でも特に瀧上さんから参戦に当たっての意気込みと覚悟がすごく伝わりました。OPでも出てくるタイミングを間違えたり天然なイメージが先行してしまいますが、ネタ選びの戦略だったり「流れ星☆が目指す場所」を常に意識しながら動いている瀧上さんに感心してしまいます。先日3/28に行われた「モンローズが、絶対M-1で決勝行くための貴重なお時間」でもほぼ初対面のモンローズに対してネタや売れ方の方向性の重要さを話していました。

あとは賞レースの平場のちゅうえいさんが最高でした。ガンダムとラバンバ見れただけでも楽しかったです!

そして映えある初代チャンピオンは…

🏆磁石 (1位/491点)

やっぱり磁石は強かった!

今回は敗者復活からの決勝に進出した磁石。最初から決勝メンバーに入ってなかったことが不思議なくらい今回も賞金がかかった大会で優勝本命の強さを発揮しました。この世代の中では1番報われてほしいとTHE MANZAI時からずっと思っていたのでこの優勝は嬉しかったです。永沢さん、佐々木さん、おめでとうございます!

最後は磁石と流れ星☆の頂上決戦という王道な展開になり、視聴者投票で2位を取った磁石に軍配が上がりました(流れ星☆は3位)。

あの佐々木さんが泣いている!THE MANZAIで永沢さんが号泣してた横でいつも笑っていた佐々木さんがマスクを濡らすくらい号泣してました。永沢さんの号泣待ちをしてた自分はこの逆転現象(?)にびっくりしました。

もし時代が違ってたらナルゲキのロビーが磁石の等身大パネルがいっぱい並んでいる光景もあったのではないかなと妄想することもあるくらいあの世代の中では絶対的強さを誇る磁石。

今後数年のG-1グランプリは「誰が磁石を超えて優勝するか」が1番の見所になるかもしれないと言えるくらい第1回のチャンピオンが磁石でよかったと思っています。今後も出続けてほしいです!

G-1グランプリは今後も続いてほしい!

ハイレベルな決勝で一旦幕を閉じたG-1グランプリ2022。決勝終わりのアフタートーク配信も興味深い話題が多く見入ってしまいました。

*三拍子・久保さん、なすなかにしはお仕事の都合で欠席。

そして現在4/12から4/22までの期間は2回戦進出者のアーカイブ動画対決が行われています。

正直まだ色々と改善の余地はありますが、今後もG-1グランプリは現役を続ける芸人さん、応援しているファンのためにも長く続く大会であってほしいです。

暫く数年は今回の決勝メンバーの世代中心の決勝を見たいと思うと同時に、モンローズおよび同世代の芸人さんがG-1グランプリに出られる芸歴になった時どんな決勝メンバーになるのか楽しみな気持ちをあります。

たどり着いた先の未来は想像していたものと違うものになってしまいましたが、G-1グランプリみたいな大会が出来ることをずっと信じ続けたおかげでお笑いライブに途切れることなく通い続けることが出来て今があります。これは紛れもない事実なので感謝しています。

今後も大会の発展と成功を願うと同時に、いつか7年前の自分が見たかった未来が見れる日が来ることを首を長くして細やかに楽しみにしています。

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