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ドイツ短期留学

1. 留学の経緯と学校について

短期海外留学プログラムは、本学が指定する交流協定校実施のサマープログラム/ウィンタープログラムから希望先を選んで留学をする制度です。
————大学HPより引用

 わたしはゲッティンゲン大学を選び、短期留学をすることにしました。期間は6週間。語学力を身につけるには決して十分な長さとは言えないとはいえ、大学のドイツ語圏プログラムのなかでは最も長い。

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 少々ハードスケジュールではありますが、プログラム開始日の前日にドイツに到着しました。フランクフルト空港から、ICE(Intercity-Express)に乗って約2時間。ゲッティンゲンへ。ちなみに、62€(2020年2月23日現在:約7,500円)と割高に感じられましたが、乗り心地は良かったです。

 大学に到着して、Placement Test のようなものを受けました。30分の時間制限のもと、パソコンと睨めっこし、空欄に当てはまるドイツ語を打ち込んでいく。わたしは正解率47%で、A2.1ほどの実力でした。A2というのは、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages ; ヨーロッパ言語共通参照枠)に則り、レベル分けされたうちの下から二段階目です。Gothe-Institut の説明を借りると、A2は以下の通り。

毎日の生活で頻繁に使われる言葉や表現に慣れ、仕事や家族や故郷など、自分に関する事や日常的で具体的な生活に関する事なら、ドイツ語でコミュニケーションが図れます。また日常的に必要な事柄が、簡単な文章の形で表現できるようになります。

今回の短期留学の最も大きな目標は、今年の6月に行われる派遣留学の面接のためにスピーキング能力・リスニング能力を向上することなので、B1程度の能力を目標に設定しています。

 次の日、さっそく授業が始まりました。わたしたちのクラスは月曜日から金曜日までは常に 13:30 から 17:45 まで授業です。だいたい 15:00 台に30分の休憩を挟みます。

まず授業で戸惑ったことは、英語が早すぎて理解できないということです。わたしたちのクラスを担当する先生が2人いるのですが、そのうちの女の先生のほうは、英語とスペイン語が話せるということで、ドイツ語の説明を英語とときどきスペイン語で行います。わたしはスペイン語がわからないのでスペイン語を話しているときはさっぱり分かりません。また、かなり自由なスタイルをとっており、発言は大きな声ではやくしたもん勝ちです。すこし混沌とした授業で、わたしが持つヨーロッパの学校のステレオタイプに似た感じです。もう1人の男の先生は、ほとんど全ての説明をドイツ語で行います。落ち着いて話してくれるので理解しやすく、発言をしたい人はドイツ式に人差し指を天井に突き刺すように手を上げねばなりません。秩序が保たれており、どちらかというと日本の授業のような感じです。

クラスメイトたちは様々な地域からやってきています。日本人はわたしを含め2人。中国の人と韓国の人、それからインドの人も2人ずつで、アジアからは計8人。ボリビアから来た人が1人、セルビアからが1人、リビアから1人、ブラジルから1人、南アフリカから来たイタリア人が1人……というように、出自はさまざまです。

宿題の量はまちまちで、ページ数や問題数で考えれば多い気もしますが、それほど難しくないのですぐに終わります。特に予習をする必要はないですが、先生は今日覚えた単語を家でもう一度復習してね、とよく言います(これはどんな授業を受けるときも同じですね)。

2. 週末の旅行

 金曜日の夜には、Flixbus を使ってハノーファーに向かいました。ICEとは違い、5,99€(2020年2月23日現在:約720円)ととても安くすみましたが、着くまでに2時間ほどかかります。ハノーファーはニーダーザクセン州の州都であり、ゲッティンゲンより大きな街です。また、広島市と姉妹都市でもあります。

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こちらは、ハノーファー中央駅(Hannover Hauptbahnhof)の写真。

 ハノーファーにちょうど友人が滞在しており、彼が2016年に滞在していたホストファミリーの家に泊まらせてもらいました。そのお宅はヴィーガンだったので、夕食にヴィーガン料理をいただきました。トルティーヤ(Tortilla)やスープ(Suppe)、ザワークラウト(Sauerkraut)、ヴィーガン用のヴルスト(Wurst)など、美味しかったです。お母さんが、チョコレートケーキ(Schokoladenkuchen)も焼いてくれたので、食後に食べました。

 土曜日には、ハノーファーを巡りました。ハノーファーの市庁舎に入ったり、Neustadt や昔ながらの景観が残る Altstadt を探索したりしました。また、Döner(ドイツのケバブ)を食べたり、カフェに入ったりと食も堪能しました。案内をしてくれた友人に感謝。

 帰りはICEに乗って、約30分ほどでゲッティンゲンに到着しました。チケットの値段は17,90€(2020年2月23日現在:約2,200円)でした。

3. ドイツの生活

 当たり前ですが、ドイツの生活は日本のそれと大きく異なります。それが興味深かったり、あるいは苦労の原因になったり……。慣れないうちは大変とはいえ、やはり異なる文化を体験するというのはとても面白いことです。

① 鍵が開かない
  ドイツはドアノブが回らないので、鍵を開けるのが難しかったです。1週間を終えた今でもうまくいくことは稀ですが、最初よりはだいぶ慣れました。「開かない!?」と戸惑ったときにたいへんお世話になったのは、こちらの記事です。分かりやすくて、とても助かりました。


② 食べ物
  基本的には自炊しているのですが、ハノーファーではドイツの家庭で食べられているものを振舞ってくださいました。この写真に写っている料理は、友人が嫌いだったドイツの料理です。

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 小皿に乗ったものは、Milchreis(ミルヒライス) といって牛乳で炊いたお米です。ご飯の感覚で口にすると、あまりの甘さにびっくりしてしまいます。Milchreis の隣にあるのは、パンの上にチーズを乗せたものと、Leberwurst という肉類や内臓をペースト状にしたパテのようなものを乗せたものです。どちらもなかなか不思議な味でした。チーズも、一般的なチーズではなく Burgkäse という Hartkäse の一種らしく、不思議な味わいです。
 また、有名ですがザワークラウト(Sauerkraut)というドイツのキャベツの漬物も、想像していた味と違っていて、思ったよりも酸っぱかったです。


③ 朝ごはん
  毎朝、一緒に住んでいるおじいちゃんと朝ごはんを食べるのですが、ドイツの朝ごはんの様子がとても面白かったです。欠かせないのは、木の板とBrötchenmesser(Brötchenはパン、Messerはナイフを意味する) あるいは Früstücksmesser(Früstückは朝食の意)というパンを切る用のナイフです。

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 小さな木の板にパンを乗せて、Brötchenmesser で薄くスライスし、そのままジャムやハチミツ、ヌテラ、Quark(クヴァーク)などをトッピングして食べます。ホットミルクやエスプレッソなどを飲むことが多いようです。
 Quark は、おじいちゃんがよく食べていて「それはなんですか?」と聞くと一口食べさせてもらいました。レアチーズとヨーグルトの中間のような味で、とても美味しかったです。美味しい!と言うと、一箱くれました。何度も Danke schön(ありがとう)と言うと「ひとつ0.5€だから気にしないで」と……。とても優しいおじいちゃんです。
 Quarkについて、詳しくは下の記事をどうぞ。


 残りの5週間も引き続き、ドイツ文化に触れながらドイツ語を学んでいきます!

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