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真夜中読書倶楽部 2024年3月

これはJ-WAVEで毎週火曜日の深夜に放送中のラジオ「BEFORE DAWN」の人気コーナー「真夜中読書倶楽部」で紹介された推薦図書の記録です。

私が読んだ本には感想や備忘録を付けています。


3/6 ボクの音楽武者修行 (新潮文庫) /小澤征爾

3/13 死んでしまう系のぼくらに/最果タヒ

わたしをすきなひとが、わたしの関係のないところで、わたしのことをすきなまんまで、わたし以外のだれかにしあわせにしてもらえたらいいのに。
わたしのことをすきなまんまで。

「夢やうつつ」冒頭

夜空はいつでも最高密度の青色だ/最果タヒ

私が最果タヒさんを知ったのは、2018年に3331 Arts Chiyoda(2023年3月31日で閉館)でされた「SNS展」での #もしもSNSがなかったら をテーマにした詩が空間に漂うように浮かべられた展示だった。

資生堂フリーペーパー「花椿」
んん……走り書きをしている。最果さん関連だろうか。
ごめんなさい。忘れてしまった。

そういえば、資生堂のヘアケアブランド「TSUBAKI」のCMが好きだった。
女優陣の聡い面持ちと強く美しい姿勢による凛とした姿が印象的だった。

日本社会は古くからずっと男尊女卑の思想が共通価値観として続いている。
また、上下関係を重んじる文化ゆえに、女性が社会に対して差別的に軽く扱われることを抗議をしても、「ヒステリーでやかましい」と相手にされない。
それでも、諦めずに時代を超えて抵抗し続けていることを感じたものだ。

社会が女性に求める無知で非力で愚かな役を降りる。
馬鹿なふりして媚びたりしない。聡明さを隠さない。その美しさに感動した。これが2007年だった。あれからまた時代は流転している。

本を読む面白さの1つに時代背景を感じられるというものがある。
出版された時代を自分も生きていたなら回想するだろうし、昔の生活を想像したり、昔の人が思い描いた未来(SF作品)の時代を生きているなら、予言書のように感じるだろう。読書は楽しい。脱線した。

3/20 夜明けのすべて/瀬尾 まいこ

映画化された小説として紹介された。これも私は未読。
瀬尾さんの本はいくつか読んだことがあり、人間関係の描き方が好きだ。
さまざまな関係性で描かれる人と人との距離感は、現実の人生を生きるのにヒントになる気がする。
相手の立場に立って考える、相手の気持ちを想像して共感することの難しさとかは小説で教わった。実際には、他人が頭の中で何を考えているのか、どう感じているのかは物語のようには知り得ないから。
私が好きな瀬尾さんの本3冊を置いておく。

3/27 スペインの宇宙食/菊地 成孔

歌人の岡本真帆さんがゲストの回で紹介された本。
真夜中読書倶楽部はジャンルが定まらないところがとても良い。
この番組を聴いていなければ、書店でも目に留めなかったであろう本がたくさん紹介される。自分が好きな本、好きなジャンルだけを純粋に愛していくと、どんどん「好き」が深く細く尖っていく。
私は完全な読者なので、他人が創作する作品を愛でているだけの受信機だ。
受信できるものを研ぎ澄まして自ら限定していけば、いずれ途絶える。
好みが偏るのと比例して、自分の価値観だって偏っていく。
そうなると生きづらくなっていくことを私は身をもって知っている。
だから、時どき風を入れる。煮詰まらないように差し水をしてかき混ぜる。
読書もそうやって数人の作者を偏愛しないように自分で調整しているので、このコーナーを活用している。
こうしてnoteに整理したのは、自分が次の本を買いやすいようにするためだけど、せっかくなら他の人にも推薦図書を紹介したいので公開している。

この番組「BEFORE DAWN」をお題に、岡本さんと燃え殻さんが詠んだ一首も書き添える。「ラジオの前のあなた」を感じる歌だ。

独りではないということ 「おやすみ」が優しく溶けてゆく夜明け前

岡本真帆ー

突っ伏したベッドの上で耳をすます あなたの寝息と深夜ラジオ

燃え殻




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