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マーケティングで最も重要なプレファレンスを理解する

私は中小企業向けにコンサルティングを提供する、いわゆるToBのベンチャー企業でインターンをしていますが、ToCのマーケティングで日本で最も有名な森岡毅さんを深く尊敬しています。

これまで書かれた著作の多くがAmazonでも星4を超す、超ベストセラーになっていますがその考え方は非常に学ぶものがあります。

私はコンサルティング企業という立場のもと、業務の中で集まる多くの企業のケーススタディを意思決定に難を抱える経営者、特に中小企業の経営者の方向けにメディアを作れないかと勤務時間中ウンウン唸っています。

重要なのは「誰に=WHO」、「何を=WHAT」、「どうやって=HOW」をしっかり考え込んで設計することですが、特にWHATの部分が難しい。

特に最初に提供方法であるHOWを持っていたり、考えていたりすると一気にWHATが見えなくなります。

WHATが大事な理由はそれが消費者が真の価値になり得るからです。

森岡さんが行う数学マーケティングの中に出てくる数式の中でも最も重要であるだろう式がこちら

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複雑な式ですが、意思決定は「負の二項分布に支配されている=好みによって面の割合が変わる多面体のサイコロを振っている」ということを表しています。

このプリファレンスを大きくする、つまり選ばれる確率を上げる事こそ、マーケティングの本質であると考えるわけです。

本題ですが、そのプリファレンスは3つで支配されていると紹介されています。

・ブランドエクイティ
・価格
・パフォーマンス

これらの内、秀でたものを選んだり、その製品カテゴリの購入で重要視しているものを我々は購買しているようです。

試しに考えてみました。例えばリップクリーム。

私は最も一般的かと思いますが、ロート製薬のメンソレータムを持っています。

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なぜこれを買ったのか。他にもモイスチャータイプや香りがいいもの、手で塗るタイプなどがありますが、一番の理由は安いからです。

つまり「価格」で選んだという事。でも他の2つを見てないわけではありません。

リップクリームで大失敗する可能性は低いので、パフォーマンスに大きな差はないだろうと考えました。

ブランドと言ってもメンソレータムくらいしか知らないので、若干考慮に入れた可能性はあります。

でもこのリップクリームというカテゴリで最も重要だったのでは「価格」でした。

次はスマホです。私はiPhone11proを使っています。

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買ったのは去年の9月ごろ。大学生には13万円の容量が256GBの11proは大きすぎる買い物でした。

それでも数あるスマホから選んだ理由は何でしょうか。

ブランドエクイティはかなり大きいでしょう。

特に日本では半分以上の人がiPhoneを持っていますし、優れたデザイン性と機能性があります。

でもそれだったら、iPhone11でもiPhoneSEでもいいわけです。

まだ理由が足りません。

価格。これは正直マイナスでしょう。13万円は私にとっては高すぎでした。プリファレンスにはむしろ低評価なはずです。

パフォーマンス。これは非常に大きく影響を与えたと思います。

写真や動画編集にハマっていた私は、望遠や広角レンズまでついた三眼スマホに非常に惹かれていました。

一部、三眼はダサいという声も聞きましたが、そんなの全く気になりませんでした。店頭で見て、触って、どうしても欲しい。そう思いました。

最新のチップは処理速度も速いだろうし、ホームボタンの無い画面で動画も大きく見える。。。

なのに64GBの次の128GBがないんです!これは非常にうまい戦略だと思いましたね。

せっかくこれだけの品質で写真や動画をいっぱい撮ってやろうと思っているのに、64GBではすぐに容量に悩むことになる。

ブランドエクイティ:++
価格:ー
パフォーマンス:+++

これが私が数あるスマホの中から256GBのiPhone11Proを選んだ理由です。

こう考えてみると、自分が主にこの3つを無意識のうちに比較し、検討して購買を行っていることが分かります。

これは非常に興味深い体験でした。何が言いたいかというと、消費者理解のために自分の購買を振り返ってみるのは非常に勉強になるという事。

ToBのマーケティングが大きく異なるのは、意思決定がこれらの主観的な軸だけでなく、様々な判断材料のもと合理的に行われるという事。

その文脈ではこの考えは大きく効果を発揮できませんが、それでも利用する人の思考を理解することは非常に重要なはずです。

意外と考えてみると楽しかったので、これからも習慣化してやってみたいと思いました。

では、今日はここまで。

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