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いとおかし12 閔子鶱(びんしけん)
これって親孝行?
『本朝二十四孝』
という草子がありまして。二十四人の親孝行話ですね。
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落語に「二十四孝」というネタがありますので、相当人口に膾炙したんんでしょう。そこでも言われているので、まあ一番有名なのは、「孟宗竹」の語源にもなった「寒のたけのこ」。
父が早世し、病気がちな母が、冬の寒い日にタケノコを食べたいというので、親孝行な息子の孟宗が、雪の中にタケノコを探しに行く話。
当然ないので天に祈り「親孝行ができない」ことを悲しんで、竹に寄りかかっていたら、天が感応して、雪原が割れてたけのこがはえて来たので、食べさせてやることができて、母は喜び長生きをしたという話。
まあたぶん、母親が雪の降った日の次の日に、「きのう、息子がタケノコ取って来て食べた。おいしかったわあ」と近所の人に自慢したのが、尾ひれがついたんじゃないかと。
三月ならふつうにタケノコはえているので。たまたま雪がふって隠れたので、孟宗があるべき場所へ取りに行ったら、「あれ?」ってなったんじゃないかなあ。
ほんでもって、しばらくしたらお日様で雪がとけてきて、「ああ、ここ、ここ」って、タケノコ収穫してきただけでは?
と想像してみたりしますね。
学問のすゝめ
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というのは、かの福沢諭吉が『学問のすゝめ」でこういっているから。ざっとスーパー意訳しますね(八編より)
「古来、日本や中国では親孝行を勧める話は、むっちゃ多いね。「廿四孝」がいちばん有名やけど、本はいっぱいでてます。けれども、この「廿四孝」を読んでみてみ。まあ話の十のうち、八、九は人間にはできないことをすすめるか、あほみたいなことをして笑い話かこれ、とつっこみたくなるか、科学やヒトの心情にはそわないことを誉めて、親孝行というてる。これはおかしいでしょう。」
「寒中に裸になって氷の上にねて氷をとけるのをじっとまっていたとか、そんなんしてたら死んでしまうかもしれん。そしたら親不孝になるから何してるかわからんやん。」
「夏の夜に、親が蚊に食われんように、自分の身に酒をそそいで蚊に喰われたというのもおかしいな。親に近づく蚊を防ぐより、その酒代で蚊帳を買うたらええんとちゃうかいな。こっちの方が賢いんとちゃう?」
「父母を養うために働かんと、金がないからと途方に暮れて罪なき我が子を生きながら穴に埋めという口減らしにいたっては、その心は鬼というもんでしょ。天にそむき人情を害することきわまってるやんか。子孫を残さないのを【大不孝】と云いながら、既に生れたる子を穴に埋めて後を絶たんとしてるのをほめるって、何が孝行なんかもう混乱してるでしょうが。前後不都合なる妄説ですな。結局、子どもは親の犠牲になれ、として、上下関係つくって、無理に子どもに責任負わして束縛する話でしょう。」
ボロクソやけど、福沢に一理あるね。
さて、そのなかから、まああり得るかなあという、やつを一つ、ご紹介。
閔子鶱
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