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お空の上の物語「SORA」#4

太陽と月の神さまの役わり


キラーは、太陽と月の神さまがどのように子どもたちをサポートしてくれるのかを話してくれました。

「太陽の神さまは、人間に光り輝くエネルギーをくれるんじゃよ。エネルギーをもらった人間は、明るく、元気で、いつも周りの人を笑顔にし、人々を勇気づけ導くことができるじゃろう。しかし、太陽の神さまのサポートをもらいすぎると、エネルギーッシュになりすぎて無駄な行動をして人を巻き込んだり、自分の思い通りにいかなくてイライラしたり怒りがわき起こり爆発したりしてしまうこともあるのじゃ。」

この他に、太陽の神さまにサポートしてもらっている時は、地球のサポートもたくさんもらっていることを教えてくれました。地球のサポートをもらえると、愛が体から溢れ出し周りの人へ分け与えることができるそうです。そして、地球での生活がどんどん豊かになっていくそうです。順調に地球の旅を楽しめればお空の上のことを思い出す必要はありません。それでは41個目のソウルのたまごの学びはクリアできないので、気づかせてくれるような出来事が起きるのだそうです。

「神さまのサポートに依存してては、地球の卒業のテストはクリアできないしな。全てはバランスじゃ。必要な時だけサポートを受けること。それが、魂レベルを上げるこつじゃ。」

そうキラーがそう言うと、優しく輝くお月様がお空にあらわれました。

「月の神さまの暗闇を照らす優しい光のエネルギーは、人々を安心させ光の世界へ導いてくれるのじゃ。でも、その守られた光の中にいることが心地よくなってしまっては、いつまでも明るい世界へは行けないじゃろう。暗闇にいた経験は、様々な辛い経験をした人々に優しく寄りそうことができる。ソウルメイトに愛を与えお空の上のことを思い出す手助けになるのじゃよ。」

両方の神さまのエネルギーは、どちらも地球の旅では必要なものなのです。愛の星、地球にするためには、この2柱の神さまにサポートしてもらいながら神さまに感謝できることが、とても大切なことだとピピたちはわかりました。

オーダーメイドの人間スーツ


太陽と月の神さまにお礼を言うと、キラーは大きな扉のある部屋に子どもたちを案内しました。
「太陽と月のマークがある!」
「ここは何の部屋なの?」
ピットとピッチが興奮してキラーに聞いています。ピットとピッチはキラーの家を訪れるのは初めてです。二人に聞くと、今まで地球とよく似ている別の星で魂レベルをあげるための旅をしていたそうです。今回、地球は初めてなのでワクワクが止まらないようで……。2人にとったらすべてが初めてだらけなので仕方ないな。と、ピピとピタは思っていました。
「困犬・叶犬に会えるね、ピタ!」
ピピはピタに話しかけました。ピピは早くあの大きな扉が開いてくれないかな?と思いながら待ちました。
「これはな。人間スーツをオーダーメイドをする部屋じゃよ。」
そう言って、キラーはやっと杖をふり、大きな扉を開けてくれました。
スーと扉が開くと、部屋の中でパソコンをのぞき込んでいる赤い狛犬と、皆に手をふっている青い狛犬がいました。ピピはやっと会えた2匹に、笑顔で話しかけました。
「久しぶり!困犬・叶犬!元気だった?」
「おー。ピピとピタじゃねいか。また地球へ行くんだな。あら?お前ら今回最後の地球の旅だべ?」
青い狛犬の困犬がいいました。
「その通り!僕ら地球の卒業テストを受けるんだよ。だから、今回の人間スーツ作りはよろしくね。」
ピピが言いました。
「おーまかせてくんろ。ピピの頼みだ。この4人の人間スーツはどんな経験にも負けねえ、強い心を持つ人間スーツにすんべ!」
赤い叶犬も言いました。
困犬と叶犬は、どんな困難なお願いも叶えて人間スーツを作ってくれる、最強狛犬たちなのです。
「ねえ、ピピ?あの白いミイラみたいなのはなあに?」
ピピと仲良くなったピッチがピピの手を引っ張りながら、部屋にたくさんかけてある大小様々な白いミイラみたいな物を指さして聞きました。
「あれが人間スーツだよ。自分の好きな大きさの人間スーツを選んでいいんだ。大きさだけじゃなくて、顔やスタイルも困犬・叶犬にオーダーしていいんだよ。」
人間スーツは完全オーダーメイドで作られます。ここではまだ性別は決めません。自分の夢に合わせて容姿の他に頭の良さや運動能力、得意なこともオーダーすることができます。
「そうなんだね。じゃあ、一番右の星マークはなーに?」
「あれはなあ。スペシャルボディーを希望したいときに選ぶんだべ。」
困犬がピピに変わっていいました。
「スペシャルボディーってのは、ハンディキャップを持った体のことだよ。ハンディキャップの体で地球の旅をしてソウルのたまごを磨くことができれば、魂レベルが2倍、3倍もアップするボーナスボディーでもあるんだよ。」「んだあ。だから人気があって抽選なんだべ。スペシャルボディーに当たるのは宝くじに当たるよりも難しいと、地球へ旅した子どもたちはみんな言うだあ。」
スペシャルボディーだけは困犬と叶犬でさえも作ることはできません。お空の上の上の神さまたちが決めることなのです。叶犬も言いました。
「でも、この4人は地球の卒業テストだからハンディキャップのボディーをわざわざ選んでも意味がないべ。それ以外でなら何でもリクエスト通りに作ってやるから、オーダーを言ってくんろ。」
困犬・叶犬にそう言われ、ピットははりきってオーダーを言い始めました。「ぼくはね、背の高い健康な男の人になるんだ。宇宙の他の星で学んだ知識を伝えるために、天才って言われる人になって愛の地球に必要な何かを発明するよ。」
ピットは大きな人間スーツを両手で抱えながら言いました。
「それはよい目的だな。宇宙には地球にまだない素晴らしい技術がたくさんある。みな愛の星にするためには必要なものばかりじゃ。ピット、ぜひ地球にそれを伝えてくれ。」
ピットが神さまステージへ上がるためには、宇宙で学んできた知識や技術を生かして愛の星地球にする手伝いをすること、そして、ソウルメイトに手伝ってもらいながら地球の旅を思い切り楽しむことです。
「みんな地球で人間スーツを大切にする方法はな、良く寝ることじゃ。寝ている間に困犬と叶犬が人間スーツのメンテナンスをしてくれるんじゃよ。お空の上を思い出せれば、人間スーツに新しい注文だってできるんじゃよ。いつでもなりたい人間になることができるんじゃ。そして、よく笑いなさい。笑うことは人間スーツを長持ちさせる秘訣じゃ。」
キラーは笑いながら、人間スーツの取扱いについて教えてくれました。
ピピは「地球のシステムを最初から知ってたら人間は病気にならないのに」とも思いましたが、そうなったら地球の旅を楽しむことができなくなってしまう子どもがいるのを思い出しました。でも、ピピは気がつきました。
「そっか、ぼくたちが目指す愛の星は、みんながお空の上のことを思い出すから病気がなくなるし、元気で笑顔いっぱいの人ばかりの地球になるってことなんだね。」
みんなは、ピピの言葉を聞いて手をたたきあって喜びました。愛の星、地球になったらなんて素敵なんでしょう。みんなの心はワクワクで仕方ありません。

光のシャワー


「ところで、ピピは愛の星にするためにどのような人間スーツを選んだんじゃ?」

キラーに聞かれ、ピピは普通サイズの人間スーツを見せました。ピピは普通サイズの人間スーツを見せました。ピピのオーダーは、どんな人に会っても話が合わせられることができる頭脳と、どんな人とも楽しく運動ができるような運動能力と、誰と何かをしてもそつなくこなせる手先の器用さを持つ人間スーツを選びました。これならたくさんのソウルメイトに会える機会も増えるし、困っていれば手伝うこともできると思ったからです。
「僕、どんな状況でも対応できるようにオールマイティの人間スーツを選んだんだけど。この人間スーツで、お空の上のことを思い出すお手伝いができるかな?」
一生懸命考えて選んだピピの人間スーツを見て、キラーは思い出しました。「そうそう、キラリーに頼まれておったのじゃった。」
キラーはそう言うと、杖を高く上げピピに光のシャワーをかけ始めました。
「これは、地球の迷える子どもたちを助けるときに必要なエネルギーじゃよ。地球の旅の間はずっとピピに愛の光が降り注ぐようにしたからの。」
光のシャワーは愛のエネルギーです。この光はいつでもピピに降り注いでいます。ですから、ピピの側にソウルメイトが来れば、一緒に光のシャワーを浴びることができるのです。光のエネルギーは傷ついたソウルのたまごをもとにもどす愛の力があるのです。
「キラーありがとう。これでお空の上のことを忘れてしまったソウルメイトたちに愛を与えることができる!」
ピピたちは、困犬・叶犬に自分たちのオーダを伝え、人間スーツにデータを入れてもらいました。
「キラー僕、地球の旅が終わったらキラーみたいな先生になりたい。だから愛があふれる光り輝くソウルのたまごになってもどってくるからね、お空の上から見守っていてね。」
ピピはキラーに別れをつげました。
「もちろんじゃよ。空の上から見守っているからの。安心して地球の最後の旅を楽しみなさい。」
キラーは、手をふりながらピピや子どもたちを見送りました。

つづく

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