海底ケーブルの電磁波でエビの赤ちゃんが「カナヅチ」になると判明!
洋上風力発電のために敷設された電力ケーブルが、海底のカニを惹きつけ、移動習性に悪影響を与えている、というニュースがありましたが、海底ケーブルの及ぼす影響はそれだけではなかったようです。
2022年に報告された英国のヘリオット・ワット大学(Heriot-Watt University)、セント・アブス海洋ステーション(St Abbs Marine Station)の共同研究で、海底ケーブルの電磁場にさらされたロブスターの赤ちゃんは「カナヅチ」になることが新たに判明しました。
また、何らかのかたちで奇形になるリスクも3倍高くなったとのことです。
研究の詳細は、2022年4月21日付で科学雑誌『Journal of Marine Science and Engineering』に掲載されています。
参考文献
元論文
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
海底ケーブルが海の生物に与える影響
研究チームはこれまで、洋上風力発電所のための海底送電網が、カニやロブスターといった商業的に重要な生き物に、どんな影響を与えているか調査してきました。
その中で判明したのが、先に述べた「カニの電気中毒」です。
今回は、セント・アブス海洋ステーションにある実験用水槽を用い、4000個以上のカニとロブスターの卵を、海底ケーブルから発されるのと同レベルの電磁波にさらしました。
それと並行して、電磁波をまったく照射しないカニとロブスターの卵(比較群)も用意しています。
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