140×7字小説 〜たとえ地に足がつかずとも〜 ⑦(最終回)
⑦【求めたものは、空よりも近くに】
今は上や下ばかり向いているよりも、ひたすら前を向いていたい。
そして時には横を向いて、手を握ってくれる人の顔を見たい。後ろを向いて、車椅子を押してくれる人の顔を見たい。
たとえ地に足がつかずとも、この手が届く範囲を大切にしたい。
だからもう、空に向かって手を伸ばすことはやめた。
今は上や下ばかり向いているよりも、ひたすら前を向いていたい。
そして時には横を向いて、手を握ってくれる人の顔を見たい。後ろを向いて、車椅子を押してくれる人の顔を見たい。
たとえ地に足がつかずとも、この手が届く範囲を大切にしたい。
だからもう、空に向かって手を伸ばすことはやめた。