140×7字小説 〜たとえ地に足がつかずとも〜 ⑥
⑥【価値の落とし主と、拾い主】
車椅子生活も実家の手伝いも、それなりに慣れてきた。
この頃になると常連客とも親しくなり、やがてその内の一人が客から相方となって、常に寄り添ってくれるようになった。
朝から働き、夜に店じまいをしたら、自分の膝を枕代わりにして甘えてくる相方……
……自分の足には、まだ価値があった。
車椅子生活も実家の手伝いも、それなりに慣れてきた。
この頃になると常連客とも親しくなり、やがてその内の一人が客から相方となって、常に寄り添ってくれるようになった。
朝から働き、夜に店じまいをしたら、自分の膝を枕代わりにして甘えてくる相方……
……自分の足には、まだ価値があった。