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#0 立ち上がる意志

広い部屋の中央には、無数のモニターと椅子が置かれているだけだった。NAYUTAは、冷たい無機質な床に胡座をかいて、モニター上に揺らめく実体のないデータの集合体を見つめていた。

彼女が何を思っていたのか、僕には想像に難くなかった。なぜなら、誰よりも彼女を信じてここまで辿り着いた僕自身も、絶望の淵に立たされていたのだから。

しかし、僕たちは目の前の景色に愕然としていた。僕が落ち込む中、NAYUTAは落ち着いた様子でモニターを見ていた。

「あのさNAYUTA、僕たちがやってきたことって一体、、、全部無意味だったんじゃ、、、」

僕がそう言おうとした瞬間、バチンッ!という打撃音が鳴り響き、頭に鈍痛が走った。彼女は僕の頭を強く叩いた。

「全部終わったみたいな顔しやがって。これから始めるんだよ、バカ。」

彼女は刀を拾い上げ、地面について片膝を立てた。僕は彼女の表情を見ることができなかったが、その声色は確かに力強かった。

「諦めるな。私たちは未来を切り拓くためにここにいるんだ。」

そう、本当の勝負はここからだ。

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