なぜか20代女性でも婚活に苦労するワケ-150組を結婚させたプロが見てきた大阪の婚活マーケットの実情‐
容姿、年齢がOKでも結婚できない
筆者はこれまで、大阪で結婚相談所に10年間携わり、3000人の婚活をサポートし、150組以上の夫婦を誕生させてきた。
そのような中で、残念ながら婚活に苦労する女性たちの姿も見てきた。彼女たちが婚活で苦労する理由は、男性から急激にニーズが少なくなる30代後半女性であるなど、年齢的な理由だけではない。
また、筆者が相談所を開いている大阪のように、相談所に登録する男女比で男性が少なく、それゆえに女性が余ってしまうという理由からでもない。もちろん、容姿の問題でもない。
その原因の多くは、年齢、容姿ではない女性本人にあることが圧倒的に多いのだ。
本稿では、筆者が実際に接した相談所に登録した20代女性のエピソードを事例に、なぜ彼女たちが婚活で苦労するのか、その原因を紹介する。
20代女性はモテる。しかし…
一般に、結婚相談所において20代女性は圧倒的にモテる。
事実、日本最大手の結婚相談所を運営するIBJが調査した成婚白書によると、20代女性の成婚率は156%,30代114%、40代63%、50代50%と、20代が圧倒的に高いというデータがある。
30代以上の女性は出産を考えると年齢の壁を意識せざるを得ないので短期間での成婚を求める傾向にある。そのため、さらに婚活が厳しくなる。一方、20代女性は婚活業界では「ブランド」。それだけで男性が殺到するのでは?と考えるだろう。
だが、実態は必ずしもそうではない。
本稿では、実際に存在した20代婚活女性の事例を紹介し、彼女が婚活に苦労する原因を解説していきたい。
有名大学卒大手企業勤務25歳タワマン女子でも…
ある日、筆者が運営する相談所に50代前半男性が20代半ばの女性を連れてきた。
「先生、うちの娘をぜひお願いします」
イズミさん(仮名)は、お父様に連れられて相談所の門を叩いた。
聞けば、彼女は有名大学卒で現在誰もが知る大手企業に勤めており、大阪市内のタワーマンションに住んでいた。
しかし、恋愛においては彼氏ができては別れるの繰り返し。そこでお父様が娘の将来を心配し結婚相談所の門を叩いたのだ。
「娘は本当に男を見る目がないんですよ。見る目がなく、長く続いても半年。1年以上付き合うことはないそうで」
イズミさんの初対面の印象は、ぱっと花が咲いたような明るさと華やかさ。愛らしさも持ち合わせており、華がある。その上愛嬌もあり見た目も可愛い。
学歴含めスペックも申し分ないため、若い男性の8割は彼女に惹かれると感じた。
「これまではどんな恋愛を?出会いの場はあるでしょう?」
「そうですね。合コンや飲み会もたくさん行きました。いつも飲み会で知り合った男性から声をかけられて、押されて押されて付き合うかんじですね。私、押しが強い男性が好きなんです。でも、結婚を考えられる男性はいなくて」
これは婚活に苦労するぞ、と筆者は思った。
そして、それは残念ながら真実になってしまったのだ。
その後も話を聞けば、彼女の結婚観はこれまでの「恋愛観」の延長線上でしかなかった。
「元カレはみんな将来を考えられるまでの職業や家庭環境ではなかったんです。あと私、話しが面白くて感覚が合えば好きになっちゃうんです」
たしかに、「コミュ力の高い男性」は魅力的だ。しかし、中長期的に信頼できる関係を続ける結婚向きの男性かといえばそうではない。
とうとう、彼女は最後までその価値観を変えることはできなかった。
イズミさんの結婚相談所での活動はトータル4ヶ月程度。
3人目のお見合いで出会った3高男性(年収2000万超)と2ヶ月で真剣交際に進んだものの、彼の方から交際を終了が届いてしまったのだ。
原因は彼女のお金遣いにある。
また、老舗企業の跡継ぎでもあるその男性は縁起を担ぐ傾向にあった。
イズミさんは彼との交際中に事故をしたり病気になってしまい、デートのスケジュールをキャンセルすることが多くなってしまった。それが決定打となった。
「友達が紹介してくれた男性と出会ったので、休会します」
少し傷ついたのか、彼女はそう口にし、半年ほど休会。
再スタートしたものの、お見合いを一人しただけで、再度休会に至ってしまった。
「マッチングアプリで京都大学卒のハイスペックな35歳の男性と出会ったんです」
彼女が嬉しそうに私にそう口にしたのはそれから2ヶ月後のことだ。だが、筆者の経験上、彼女のようなタイプは、20代でハイスペでも、このまま30代まで結婚できない可能性が高い。
なぜなら恋愛を楽しむ分には申し分のない女性だが、結婚という現実的な生活を考えると少し心配だからだ。
事実、筆者がこれまでサポートしてきた女性の中にも、20代のころにイズミさんのように次々と恋愛を繰り返して、結婚できず、30代後半になっても結婚できない女性が少なくなかった。
現在はマッチングアプリで出会った新たな彼とのデートを楽しんでいるというが、地に足をつけた考え方に変えない限り、彼女は結婚というゴールを迎えることは難しいだろう。
「コミュ力の高い男性」に惹かれると、ドロ沼に陥る
イズミさんが新たに出会ったマッチングアプリで知り合う男性の一部は、会話も面白くコミュ力が比較的高い。
そのため、イズミさんに代表される20代の若い女性はこのような男性に惹かれる傾向が総じて高い。
筆者は10年結婚相談所を運営しているが、デート中の楽しさだけで言うと客観的に見てもマッチングアプリを使う男性に軍配が上がる。
そのためイズミさんのように、20代の婚活女性は結婚相談所の活動を一時中断し、アプリや紹介で出会った人と付き合う傾向が、他の年代に比べ圧倒的に高い。
そもそも、結局コミュ力の高い男性はモテる。
結果、別れを繰りかえし、女性側が気がついたら30代に突入ということも珍しくはないのだ。これが”婚活ドロ沼”に陥る、の意味である。
こうした女性たちは、結婚に対してふわっとしたイメージしかなく、また焦りが少ない傾向にある。
繰り返しになるが、20代女性でも結婚を見据えているならば自身のマインドを変える必要がある。若さだけでチヤホヤされるのは今だけだからだ。
イズミさんのような遠回りをしないためにも、婚活を始める20代女性は、恋愛の楽しさに目がくらまないように、自身の軸を確立して婚活に挑んでほしいと筆者は切に願う。
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