【イベントレポート】 CDO/CXOがいる会社で働く若手トーク 「この人と働きたくて、すぐにTwitterでDMを送った」
「スタートアップにCXOが必要な理由 - CXO Night #2 by TECH PLAYデザイナー部」が、2018年2月9日TECH PLAY SHIBUYAで開催された。
本イベントは「CDO Night」というイベントの第2回。今回はpiece of cake CXO 深津 貴之 (@fladdict) 氏を招いて「CXO Night」としての開催だ。
本記事では、イベントの第一部である、筆者自身とほぼ同い年のデザイナー達によるパネルディスカッションのものをお届けする。
「この人と働きたい!」で決める自分の道
最初の質問は「今の会社で仕事をしようと思った理由と、実現したい世界」だった。
Basecamp・北川氏は「前回のCDO Nightで坪田さんの話を聞き、自分のぶつかっている問題とレイヤーが違うと痛感した。その後、突発的に『坪田さんのところに行こう』と思い立ち、ツイッターでDMをやりとりしてオフィスに伺った」と入社の経緯を話した。
つづくTHE GUILD・こばかな氏は「以前1年間くらいアルバイトとしてTHE GUILDにいた。深津さんが普段どういうことを考えているのか、どういう仕事をしているのかに純粋に興味があって、弟子のような形で出戻った」と答えた。
FOLIO・さだこえ氏は「以前ヤフーでインターンをしていた際に萌さんと出会った。その後、声をかけていただいたのがきっかけだった。もともと尊敬している方だったので、一緒に働きたいと思いFOLIOに入社した」と語った。
3人が3人とも「この人と働きたい」という理由で、それぞれの行き先を決定している。
また、「実現したい世界」について話すさだこえ氏の「人の価値観を帰るサービスを作りたい。日本人は投資をあまりしないという現状があるので、自分のサービスで投資人口を増やしたい。投資に対する価値観をFOLIOなら変えられると思っている」という言葉が印象的だった。
ユーザーの体験を突き詰めた結果利益がついてきている
二つ目の質問は「CDO・CXOがいる会社で働いてみて何か違いはあるか」
THE GUILDの深津チームに属するこばかな氏は、10社〜20社ものクライアントのコンサルティングに1年間「家族よりも長い時間一緒にいる」というほど同行し、間近で見て来たと話した。「深津さんがCXOを担当するサービスでは、利益ではなく体験をベースに施策や方向性が決まって行く」「ユーザーのよい体験を突き詰めた結果、利益がついてきている」と話した。
また、FOLIO社の「CDO」および「デザイン戦略室長」という二つの立場の話があるという点について、モデレータのFOLIO・広野氏自らコメントした。「デザイン戦略室長は内閣(=社内のマネジメント)をしてほしい。私は天皇(=外向けの公務)をする」という二方向に向けた動きを明確に分けて担当していると話した。
広野氏は最近だとフィンテックに関する記事として「なぜpaymoやKyashやpolcaがよくて、Osushiが法律的にアウトなのか?PayPalも諦めた日本の「送金」事情。 」を発信している。暗号通貨や送金に関する法律でフィンテックが話題になっている中、真っ先に丁寧な解説が投下されたことで話題になった。
CDOは「師匠」
3つ目の質問は「師匠から教わって勉強になったこと」
特に北川氏の発言は印象的だった。「ヤバいデザインの作り方・最強のデザインのノウハウが得られるという期待をしていたが、むしろ学びの本質はコミュニケーションにあった」と切り出した。CEOの坪田氏は、物腰は柔らかく、それでいて信頼できるような人柄を感じさせる人物だ。それを間近でみている北川氏は、UIデザインに関するノウハウもさながら、チャットやミーティングでの発言などからもコミュニケーションの鍵を掴んでいるとのことだった。
FOLIO社のさだこえ氏と広野氏の関係性は「師匠と弟子」とはいえど、それを超えた仲のよさが見え隠れしていた。「僕から教わったことはありますか」「特に無いですね」というやりとりで会場を笑わせた。
しかし、おどけながらも「僕は前職からビジュアルデザインを突き詰めることに価値を感じていたが、萌さんと働く中で価値観が変わった」「人の資産を扱うセンシティブなサービスにおいては、自分がやりたいことだけをやってユーザーに誤解させるわけにはいかない。そのデザイナーの責任を一番理解しているのが萌さんで、今はその部分を吸収しているところ」と尊敬を言葉にした。
こばかなスケッチの始まり
こばかな氏は行動経済学などをテーマにイラストで解説する「こばかなスケッチ」で爆発的なフォロワーが増加したことについて話した。
最初の始まりは「イラストの練習をはじめるにあたり、SNSでやるといってしまえばサボらないはずだ」という、他者の目を利用した習慣づくりが目的だった。結果的に爆発的に拡散され、昨年はインフルエンサーとしてAdobe MAXにも招待されたが「声を大にして言いたいが、フォロワー数は力の数値ではない」と話した。
一方で、フォロワーが増えたことでよかったことについても話した。それは「チャンスが増える」ということだった。「自分を外の人に認知してもらうための一つの選択肢として、SNSはありだと思う」と語った。
若手デザイナーのこれからのキャリアは?
最後の質問で、3人はこれからのキャリアについて語った。
北川氏「僕は学生スタートアップも経験してきたが、彼らはとにかくデザイナーが足りていない。学生スタートアップが好きなので、これからの日本をつくっていく若手に、デザインで力になりたい。今は実力が足りていないので、Basecampで一人前と言える実力をつけていきたい」
こばかな氏「2つの道が見えている。一つは、深津さんのように多くのクライアントを抱え、横断的にコンサルティングという立場で活動すること。その道を行くならば、THE GUILDで活躍したいという思いもある。もう一つは、何かしらやりたい事業が見つかったらそこにコミットするという道。そうなったらデザインという形にこだわるのではなく、事業に貢献する手段としてデザインを使いたい」
さだこえ氏「20才の頃『25歳までにDropboxで働きたい』という気持ちがあった。でも、今は違っていて、一つの企業で固まってしまいたくないという気持ちがある。例えば、デザイナーとして複数のクライアントを担当するという選択肢もあると思っているし、絶対面白いと思っている。そういう時代が来ればいい」
最後にモデレータの広野氏がさだこえ氏をいじり、パネルディスカッションが幕を閉じた。
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以上、イベントレポートでした。最後に著者の話を少しだけ見ていただけますでしょうか。
私は登壇者の皆さんとほとんど年齢が同じ24歳のフロントエンドエンジニアをしているナユ(@nayucolony)といいます。
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