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ラボグロウンダイヤモンドのマーケットについて調べたこと2023年

世界市場

米マーケットリサーチ企業Allied Market Research社 の最新の報告によると、世界のラボグロウンダイヤモンド(以下、LGD)産業は2021 年に223 億ドルを生み出しており、 CAGR(年平均成長率) 9.8%の割合で成長し、2031 年までには556 億ドルを生み出す、と予想されている。

各地域市場

アメリカ

前述の米マーケットリサーチ企業Allied Market Research社やダブリンのリサーチ企業ResearchAndMarkets社の世界のLGD市場レポート によると、LGDの2021年は北米が大きなシェアを獲得していると記述がある。Alliedのレポートでは、地域別に見ると2021年北米が大きなシェアを獲得し、世界のLGD市場の収益のほぼ5分の2を占めたという。

この地域では、消費者によるジュエリーの普及が進んでいることが、LGDの需要を増加させる大きな要因となっている。ブレスレット、ネックレス、イヤリングなどのさまざまな宝飾品のデザインにLGDが組み込まれており、これがLGDジュエリーの購入の増加につながっており、その結果、北米でのLGDの需要が増加している。

その勢いは、アメリカ国内のメーカーがLGDを製造しているにもかかわらず、毎年数百万カラットのLGDがアメリカに輸入されているという。

また、LGDダイヤモンドは、宝飾品業界だけでなく産業機器業界でも広く使用されている。

アジア

前述の米マーケットリサーチ企業AlliedMarketResearch社のレポートによると、アジア太平洋地域は、2031年までに11.2%という地域別では最高のCAGR(年平均成長率)を示すと予想されている。

アジア太平洋地域は、生活水準の向上と可処分所得の増加により、顧客が贅沢なライフスタイルに適応するようになり、その結果、地域の宝飾品の需要が促進されると見込まれる。その他、この地域の都市人口の急速な増加、大規模な消費者基盤に加え、さまざまなエンドユーザー産業による製造活動の増加、インターネットの普及の増加などにより、世界のLGD市場の中で最も急速に成長している地域と分析されている。

さらに、国で言えば中国のLGD市場がアジア太平洋地域のLGD市場で最大のシェアを占めている。その理由は、急速に成長する中間層による市場である。

また、アジア太平洋地域は、LGDの世界最大の生産国の1つとなっている。中国はLGDの生産と輸出においてトップの国であり、インドは世界のLGDの主要拠点となる見込みである。同レポートではLGDの主要プレイヤーとして、ZhengzhouSino-CrystalDiamondCo.、SahajanandLaserTechnologyLimited(SLTLGroup)、ZhongnanDiamondCo.Ltdなどの名が挙がっており、日本では住友電気工業がある。

また、香港発行の英字新聞South China Morning Postの記事 では、この地域の消費者の好みとしてLGDがより上品で小さめのデザインで登場することが多いのは顧客が若いためであろう、と考察している。

ヨーロッパ

ヨーロッパの大手ニュースメディアEuronewsの文化部門の2023年1月の記事 では、ロンドンのGeorge Street という活気に満ちた地域が、LGDに惹かれる顧客を多く魅了していることが載っている。販売ブランドのコア顧客は25~40歳で主に女性であり、その多くは自分用にジュエリーを購入しているとしている。