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余命1ヶ月だった私へ~迷走編⑤~

父は、なんと翌日にすぐに来てくれました。
大量のダンボールとともに。
部屋を撤収し、私を実家に連れて帰るために。

私の顔を見た瞬間から、こいつはきっともうすぐ死ぬだろうと思っていたと思います。
でも性格か、何も言わずに、片付けを始めました。

父が来てくれたおかげか、私はちょっと元気になり、冷蔵庫にあった具材を片付けるため、ちょっと料理をする気力も出てきました。

私は実家に戻るための最低限の荷物をまとめ、父は捨てるものと持ち帰るものを私に尋ねながら、片っ端からダンボールに収めていきました。

2019年、元旦。実家である福岡に帰りました。
その時に気づいたのが、早く歩けなくなっていること、走るとめちゃくちゃ息切れすること、でした。
父も足早ではありますが、置いていかれたことはなかったのに、私の足では父に全く追いつけず、父が慌ててこちらに向かってきました。

無事に到着し、駅から出ると、母が迎えに来てくれました。
一瞬、こんなになるまで放置して!と怒られるかなと緊張しましたが、何も言わず、ただ、おかえりと言ってくれました。

実家に帰り着くと、ああ帰ってこれたんだなあ、としみじみ考えていました。

実家に帰ると、とても安心したのか、呼吸もそんなに苦しくないし、おせち料理も食べられました。

そしてその日から、居間のコタツの住人になりました。

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