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人生に必要なことはかなり大相撲から学んだ

類似したタイトルで、以前あるブログに書いたことがあります。
実は小学生の頃は大相撲は大鵬の晩年でしたが、父が大相撲が大好きだったので、父のやることが嫌いな私は大相撲も好きではありませんでした(笑)

ただ中学生になり、格闘技全般が好きになったこともあって、輪島や北の湖が横綱になる頃には興味が湧いてきたのです。
高校生になった昭和50年代は、もう面白くて面白くてしょうがなくなっていました。

思い返すと人生に必要なことは、かなり大相撲から学んだように思います。
再度書いてみます。

1.強さとはあるルールの中でのことで、小さな者でも勝てることがある

格闘技においては、体格に恵まれ体重がある方が圧倒的に有利なのは言うまでもありません。そのため公平を期して体重制が設けられています。

しかし大相撲で無差別制が成り立つのは、相手を土俵の外に出すか、足の裏以外を土に付けさせれば勝ちというルールだからです。
それなら小さな人間でも何とかなる余地があります。要は相手のバランスを崩せばいいのですから。
もし四つに組んだ状態でスタートなら、小さな人間では勝ち目が無いです。

そこから自分に有利なルールの世界を選択することが大切と悟りました。

2.自分に合ったスタイルの確立が大事

力士には大きく「押し相撲」と「四つ相撲」というスタイルがあります。(厳密には両者の中間のような「寄る相撲」もあります)
前者は突き押し主体で土俵の外に押し出すスタイルで、後者は廻しを引いて相手の腰を伸ばして寄り切ったり投げを打ったりするスタイルです。
また四つ相撲の中では、引退した稀勢の里のように右上手を取ったら十分のような様々な型があります。

器用な力士はどんなスタイルでも取れますが、一般的には自分のスタイル(型)を確立して、その形に持っていける方が圧倒的に有利なのです。
小さな力士の四つ相撲は一般的に不利です。しかしがっぷり組むのを避けて、差し手を深くもう一方は前褌を取って頭を相手の胸に付ければ、十分戦えます。

自分を最大限に生かすことができれば、どうにかなることを学びました。

3.逃げずに正当派を目指す。その上で同じことをしていたらダメ。

相撲の基本は前に出ることです。これは技巧派と言われる技の多彩な力士も同じです。
ただ技巧派は前に出るだけでは勝てないから技巧派なのです。

とはいえ技巧派は普段の稽古でも技巧派かというと、そうでもありません。
技のデパートといわれた舞の海は、普段の稽古ではいつも大きな力士に吹っ飛ばされていたそうです。
技をかけるにしても、そもそも大型力士に簡単に潰されない基礎体力がなければダメです。
その意味では前に出る稽古は、意識して取り組まなければなりません。
基礎体力無くして横に変わったり叩いてばかりでは、簡単に読まれて負けるだけです。

小が大に対抗しうるニッチ戦略の真髄に通じるものがありますね。

4.素質に頼ると大ケガをする

例えば体が軟らかいとか、筋力やバネがあるとか、関節の可動域が大きいことは力士に有利です。少々不利な体勢でも凌げちゃいますからね。
しかし凌げるからといって、それに頼って土俵際で脅威の粘りを続けていると必ず大ケガをします。
最近では小兵力士の宇良がそうでしょうか。膝をやっちゃいましたよね。

時には大横綱だった北の湖のように、無理しないであっさり土俵を割ることも必要。
自分の能力を過信しちゃいけないです。

5.強くても品や個性が無いものはつまらない

昭和50年代の大相撲は面白かったと書きました。
その理由は個性的な力士が多かったからと思います。
個性的とは自分の型を持っているということです。

例えば小兵力士といっても全員タイプが違っていました。
大関の旭國は研究熱心で相撲博士と呼ばれていました。
先代貴ノ花は軽量でしたが強い足腰でがっぷり四つ相撲。
若獅子は立ち合いの蹴たぐりを繰り出し、鷲羽山はとにかくすばしっこかった。
そのほかにも吊りの青葉山、叩き専門の玉の富士など挙げたらきりがありません。

要はアスリートでありながら役者でもあったということです。個性を存分に表現できた。これがつまらない訳がないです。大相撲は興行ですし。

それが衰退したのは力士の大型化とも関連していて、曙・小錦などのハワイ勢に対抗しようと、体重を増加した結果です。
そもそも大きな腹が出た力士同士では、内掛けもかけられないですからね。
決まり手は限定される一方です。捻り技なんてほとんど見なくなりました。

その一方で勝ちにこだわりすぎる姿は、いくら強くても美しくないものです。白鵬は成績は抜群ですが、いまいち評判がよろしくないように思われます。
理由は立ち合いのエルボーのようなかちあげ、勝負が決まってからのダメ押しなどが横綱らしくなく、美しくないからでしょう。
品格を保つなんて難しいことではなくて、やらなくていいことを控えればいいだけなんですけどねえ。

強ければすべてをカバーできる訳じゃないことを学びましたよ。人間は必ず心のどこかで美を求めています

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