2022/1

慣れっこの二言三言のお小言と荷物を積み込み 自宅に帰る (う)

少年に湯冷めするよと咎めても月の影に歩いてく今夜(う)

寂しいとどうにか口に出せたなら音はあなたのやさしい茶色

ぼくたちはいっさつの本 寝るまえに今日のしおりをさしこんでおく(う)

これまでにあまりにたくさん息をして欠片こぼれてできたのわたし(う)

一枚ずつはがして食べるミルフィーユ よそゆき顔の皮が厚い(う)

俺の庭そう自負できた細道の すっくと立った知らぬ草花(う)


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