2022/4-6

あたたかで湿ったまくら抱きしめて元気平気よって笑うよ

三年はやく動き出した鼓動が酒ではやくて歳の差を知る

知らぬ間に体に生まれた傷跡に持ち主よりも先に気づくな(う) 

午前だけ見てないだけでも変わってるほらね口から知らないあなた

幸せをちいさな白が歌ってる耳をすませて花束の隅(う)

後ろ側向けてるベルから出る音を今日は壁しか聞いてくれない

袋の切れ目に「ここから破綻」 気付かぬふりで別の場所から切る

あちこちに涙をばらまき眠るから朝にはまわりに多量のお塩

水色のワンピースの君溶けだして空にも海にもラムネの中にも(う)

図書館で普段行かない本棚に不意に出向いて出会ったあなた(う)

まだかなとちらりと扉を見る度にへの字の角度が大きく大きく

日常に引き伸ばされた私よりその日の点を選べいいから

君たちが自分の街にないという希望がつまったでかい鳥籠

冷房が効いてる部屋で眺めれば夏も日差しも爽やかな顔(改)(う)

幾度もくっつけあった小指たち 解けても互いを覚えていますか

始点から終点まで知るバスを待つ 見知らぬ場所に運んでおくれよ

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