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イイオトコのアカンところを私は知っている。けれど。

私と知り合う前から飴さんを知ってる人に何人か会ったことがある。
幼馴染み。
飲み友達数名。
行きつけのお店のマスター夫婦。
昔のバイト時代の店長。
飴さんが生まれた時から知ってるという近所のスナックのママさん。
友達というよりは馴染みの人?

上に挙げた人達は皆違うコミュニティの知り合いで、この人達同士の繋がりはないのだけど、何故か口裏を合わせたかのように揃って同じことを言う。

「飴はイイオトコやろ」

私の前だから多少持ち上げてくれてるのかも知れないが、彼らが何をもって「イイオトコ」と評しているのか。

会った人ほぼ全員が言ってたのが「優しすぎるくらい優しい」
あとは「男気がある」「誠実」が挙がってたと思う。

飴さんは人に好かれやすい。
いつもニコニコしていて愛想も良く、すごく人に気を遣う。
決して自分から場を盛り上げるタイプではないのに男女問わず好かれている天然人たらしだ。

が。
私の知ってる飴さんは。
後先考えず自己犠牲に近い行動をすることがあったり。
それで困ったら私に泣きついてきたり。
ワガママで奔放だったり。
マイペースすぎたり。
部屋の片付けが苦手だったり。
人の話を聞いてるようで聞いてなかったり。
アカンところは色々ある。

だけど彼は、すごくイイ。

優しいとか男気とか誠実とかもある。
でもそういうのじゃなくて。
言語化するのはとても難しいのだけど。

彼の作る空気感が好きだ。
ハナから私を全部受け入れてくれてる雰囲気が好きだ。
ピリリとした瞬間など1ミリもない、永遠に続くようなぬるま湯の時間が好きだ。
どこまでも甘やかされて弛緩してゆく、全然完璧じゃない世界。

かつてないくらいお互いにとって居心地の良い空気を作れる人。
化学反応みたいに。

彼を知る人は彼のことをイイオトコと言う。
私はその人達が知らないアカンところも知ってるし、私だけが味わえるとびきりイイオトコの部分も知っているのだ。



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