アップデートし続けるナビタイムジャパンのデザイン組織
こんにちは、dayuです。
ナビタイムジャパンのビジネスナビタイム事業でデザイン業務を担当する一方で、デザイナー支援プロジェクトでデザイナーの活動支援を行っています。
2023年度、ナビタイムジャパンでは「デザイナーを支援し、デザインの力を向上すること」を目的としたデザイナー支援プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトには社内デザイナーの一部が参加し、デザイナーのスキルアップやデザイナー同士のコミュニケーション活性化などを促進するための活動を行なっています。
デザイナーの体制
現在ナビタイムジャパンでは、各事業・プロダクトにデザイナーが所属する「分権的埋め込み型」の組織をとっています。この形ではPMやエンジニアと密接に連携し、プロダクトに深くコミットできるというメリットがあります。
しかし、一般的に指摘される課題と同様に、組織間のコミュニケーション不足が顕著になり、デザイナーが孤立しやすい状況が生じていました。孤立によって、相談相手やスキルアップの機会が不足するなど、様々な課題が生じていました。
支援プロジェクト開始
そこで2023年度より、分権的埋め込み型の組織体制下でデザイナーがより効果的に活躍できる環境を整備することを目的とした、デザイナー支援プロジェクトを開始しました。
このプロジェクトではスキルアップやコミュニケーションなど、複数のテーマに特化したチームを編成し、各チームが主体的に施策の検討・実行を行っています。
本記事では今年度の施策の一部をご紹介します。
若手向けデザイン基礎スキル講座
ナビタイムジャパンでは、新卒1年目の社員に対してOJT制度を導入しています。 この制度は、一人ひとりに寄り添った育成が可能である一方で、トレーナーに育成を一任することによる成長のばらつきが課題のひとつになっていました。
そこで、ベテランデザイナーが主体となって、若手デザイナー向けに「基礎スキル」をテーマとしたインプット・レイアウトに関する4回の講座を企画・実施しました。
講座では、具体的な事例や演習を通して、デザインの基礎をわかりやすく解説しました。 受講者からは「どこに目を向けたらいいか、何を意識したら良いのかが明確になった」などの声があり、基礎スキルの習得や継続的な学習意欲の向上に繋がりました。
デザイナー同士の交流促進
組織間でのデザイナー同士の相談・交流が希薄という課題を解決するために、年間通して以下のようなコミュニケーションについての施策を実施しました。
四半期に一度、全デザイナーの情報交換会を開催
「新卒歓迎」「インプット」など、各回テーマを設けて実施
4~5人のチームに分けて定期的に集まる活動
各チームで場の活用方法を決め、制作時間や情報交換などに利用
デザイナー同士が同じ場所で作業できる時間帯を用意
他のデザイナーが取り組んでいる案件を知れたり、相談に繋がる
これらの取り組みによって、顔を合わせる機会が増え、デザイナー間の業務やデザインに関する相談が全体的に増加しました。
デザイナー同士のコミュニケーションの心理的ハードルが下がり、来期以降の支援活動における基盤が確立されたと言えます。
実務で利用可能なAIツールの調査
近年、AI技術は進化し続けており、デザイン業界でもAIツールのリリースが続きました。
それに伴い、社内デザイナー向けに『Adobe Illustrator』と『Adobe Photoshop』のAI機能を体験できるハンズオンセミナーを開催しました。デザイナー同士で話をしながらAI機能を使ってデザイン制作を行い、AI機能の得意不得意などを体感しながら試すことができました。
また、Adobe製品以外にもクリエイティブ向けの様々なAIツールがリリースされています。クリエイティブ制作の効率化やデザイナーのコスト削減を目指し、デザイナー以外でも業務で活用できるようなAIツールの調査・リストアップも行いました。
支援活動による具体的な変化
1年間のデザイナー支援プロジェクトの活動によって、以下のような効果が現れました。
ノンデザイナーからのデザイナーへの認識の変化
プロジェクト活動が目に見える形で行われたことで、デザイナーの抱えている課題や展望など、これまで見えていなかった部分を全社に公開することができました。デザイナーの働き方を見直すプロジェクトも増えています。
デザイナー同士のコミュニケーションの活性化
コミュニケーションにフォーカスを当てた施策の効果もあり、デザイナー同士が互いのスキルや経験を共有し、意見交換を行う機会が増えました。
デザイナーの自発的な行動促進
これまで、どうにかしたいと思っても動けなかったことでも、プロジェクトという枠組みによって主体的に行動できるようになった、という声もありました。
まとめ
この1年間でまずは「デザイナー同士の関係が希薄で、プロダクトを跨いでの相談が難しい」という状態から脱することが出来ました。
しかしナビタイムジャパンのデザイナーが、より集中し、より良いアウトプットができる環境で働くためには、まだまだ出来ることがありそうです。
今期のプロジェクトで得られた成果を生かし、今後もデザイナーの能力を最大限に発揮できる組織を目指していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。