アプリのリニューアルを成功させるために重要な2つの施策
この記事は、NAVITIME JAPAN Advent Calendar 2022の22日目の記事です。
こんにち、道志でキャンプです。
ナビタイムジャパンで『auカーナビ』アプリの開発・運用を担当しています。
KDDI株式会社と株式会社ナビタイムジャパンが共同で開発している『auカーナビ』のAndroid版アプリは、2022年8月よりリニューアル版の公開を開始しました。リニューアルの目的は長年運用されてきたアプリのデザイン刷新、新機能の追加、既存機能の見直し、およびコードベース刷新でした。
従来は、車載器と同等以上の多機能なアプリでしたが、リニューアル版は機能を絞り、メインフローをより強化しました。
リニューアルというと、前のほうがよかった、使いづらいなどレビューが荒れて評価が下がったり、利用していただけなくなったりと、ユーザーから厳しいご意見をいただくことも。
プロジェクトのメンバーは、レビューを見て一喜一憂し、真剣に向き合いたいゆえに、時には心を痛めることもあります。
多くのユーザーを抱えるサービスでのリニューアルだからこそ、リニューアル版を利用してユーザーが困らないよう、事前に工夫することで、ハレーションなくリニューアルした「重要な2つの施策」を紹介します。
新しいデザインを、従来版で利用してもらう
車で移動中のメインフロー、ナビゲーション画面の新デザインを、従来版のベータ機能として、従来版かベータ版を選べるようにユーザーに提案しました。
事前に利用してもらい、いただいたフィードバックを取り込んで、より使いやすく改善してリニューアル版に導入します。
この時は、文字の大きさが小さいとフィードバックをいただき、リニューアル版では改善することで、より見やすくご利用いただけています。
従来版とリニューアル版とのギャップをなくす
従来版で利用率が低い12機能を、事前告知を行い、3回のアップデートに分割して、機能削除しました。
私たちが使ってほしいと思っている推し機能でも、意外と使われていないこともあり、ほとんどの機能削除にハレーションはありませんでした。
一部、ハレーションのあった機能は、元に戻してアップデート。
この施策の良いところは、ユーザーの反応をみて、元に戻したり一部機能を削除したり、判断材料にできるところです。
準備をしたうえで、いざリニューアル
8月中旬に段階公開し、9月中旬に100%公開しました。
レビュー数はやや増加したものの、20%増に抑えることができ、致命的な内容もなく、リニューアルとしては成功となりました。
すぐ対応できるものや不具合は、すぐに修正し、再リリースしましたが、
それでも、否定的なレビューはきます。
リニューアル版で削除した、出発地、経由地、目的地、検索条件を保存し、復元できるMyルート機能は、利用率の低さと、改善の余地があることから、機能を見直したうえで再リリースすることを考えていました。
しかし、保存系の機能はヘビーユーザーほど必要な機能で、利用率だけでは判断できるものではありませんでした。
数件の強いご要望をいただいたことを真摯に受け止め、代替となる機能の検討をすぐに着手しています。
現在は、より使いやすく改善した新機能を、今冬リリースに向けて開発して
います。
重要な2つの施策
新しいデザインをリニューアル前の従来版で利用してもらい、フィードバックをいただく
リニューアルで削除予定の機能を、従来版で事前に削除し、従来版とリニューアル版とのギャップをなくす
さて、週末は道志でキャンプ
最後までお読みいただきありがとうございました。