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アジャイルチームの成長を手助けするJiraの便利なレポート機能

はじめに

こんにちは。「メタルは全てを解決する」です。今回は、アジャイルチームの開発を助けてくれるJiraの便利な機能と使用例について紹介します。
この記事を執筆する動機は三つ。

● アジャイルチームが成長することを手助けしたい。
● Jiraの便利な機能を知って使いこなす人が増えてほしい。
● 機能が豊富であるが故に、どうJiraを使えばよいかわからない人の手助けをしたい。

上記の動機を見てピンときた方は、ぜひご一読ください。

なお、本記事はJiraの「スクラムボード」が前提となっています。使っているよ!という方にはぜひ読んでいただきたいですが、「Jiraは使っているけれどもスクラムボードは使ったことがない」という方も本記事を読んで「ちょっと使ってみるか」と思っていただければ幸いです。

スクラムボードの簡単な使い方は、こちらをご参照ください。

なお「スクラム」ボードという名前ですがスクラムを採用していないチームでも活用できます。(但し、本記事ではスクラムで活用した場合の事例を紹介しています)

こんなにあるレポート機能

まず、スクラムボードの「レポート」タブを開いてみます。

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かなり豊富なレポート機能が用意されていますね。そして、豊富であるがゆえに「どのレポートを使えばいいかわからない」という困りごとにもつながります

今回は「チームの状況を見える化したい」という観点に絞って、私のチームで実際に活用している便利なレポート機能を紹介していきます。

スプリント中の状況を可視化したい

Jiraのスクラムボードを使う場合、スプリントを開始するとそのスプリントに積まれたJira課題がカンバン形式で表示されます。これだけでもスプリント中の状況を可視化するのに有用です。

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しかし、このカンバンだけではスプリント中に追加された/削除されたものが追いづらいという課題があります。スプリント中のスコープ変化に追随し、常に最新の情報をもとに状況を見える化したい。そういった要望に応えてくれるのが「バーンアップチャート」です。

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これは実際のプロジェクトにおけるバーンアップチャートの様子です。赤い線が作業スコープ、緑が完了済の作業。グレーのラインが目安となります。
このグレーのラインを下回る日が続いたらスコープを絞る、といった意志決定に活用することができます。

スプリントプランニングで見積もるための情報がほしい

スプリントプランニングでどの程度スプリントバックログに積むか判断する際に、ここ数スプリントのベロシティを参考にしたいことがあります。その場合、ベロシティチャートが役立ちます。

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ベロシティだけではなく、スプリント開始時にコミットしたストーリーポイント総数も表示されます。これは自分たちの計画づくりがオーバーコミット気味になっていないかなどのヘルスチェックに利用することができる情報です。

着地点を予測したい

ロードマップで価値を届けたい期日を見える化する。ベロシティから着地点を予測する。ただ、複数の開発が走っている場合、全体のベロシティから特定の開発対象の着地点を予測することは難しいです。そもそも一個づつ作る「一個流し」のやり方を徹底していればこの問題は発生しません。が、様々な制約条件により一個流しで進めることが現実的ではない場合もあります。

ここではそういった「複数の開発が平行して走っている」状況で特定の開発対象の着地点を予測するのに使える「エピックバーンダウン」というレポート機能を紹介します。

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前提として、ひとまとまりの開発を「エピック」として扱います。
エピックバーンダウンではスプリントごとのそのエピックに対するコミットメント量、追加されたストーリーポイント、そしてバーンダウン具合から予測される着地点(あと何スプリントで完全にバーンダウンするか)といった情報を得ることができます。

チームの成長を知りたい

もうひとつ便利なレポート機能があります。それは「管理チャート」です。バーンダウン/バーンアップ、ベロシティチャートなどはどのような情報が表示されるのかイメージしやすいですが、管理チャートは何が表示されるのか想像することが難しいです。そのため使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。

管理チャートを開くと、このような情報が出力されます。

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ここには様々な情報が詰まっています。薄い青で塗られたエリアはJiraの課題が作成されてから解決されるまでの標準偏差を表しています。つまりエリアが狭いほうが予測可能性が高いということです。また青い線は移動平均を表します。この値が小さいほど課題が解決されるまでの時間が短いことを示します。

例えば、上で示した管理チャートからはここ半年で予測可能性が高くなり、課題解決時間が短くなっていることがわかります。スプリントを回していく中でチームが成長していった証が、ここに刻み込まれているのです。(もちろんチームの成長以外の要因もありますが)

まとめ

今回紹介したレポート機能は、ほんの一部です。他にも便利な機能はたくさんあります。ですが冒頭でも書いたように、機能が豊富すぎてどの機能から使えばよいのかわかりません。また「管理チャート」のように、使いこなすと便利だけれど名前からはどのような機能か推測することが難しいものもあります。

まずは今回紹介したレポート機能を使い、便利さを実感してください。そして、実際にチームが成長していく様を可視化しながら体感してください。そういったチームが一つでも多く生まれることを願っています。