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メンバーへの尊敬を忘れないふりかえり手法 「KPTT」

こんにちは、ゆっちです。他社との協業事業として提供しているアプリのAndroid版の開発を担当しています。
私の所属しているプロジェクトではスクラムを取り入れていて、そのスクラムマスターも担当しています。

また、プロジェクトではスプリントが終わるタイミングでふりかえりを行なっています。その中でさまざまなふりかえり手法を試し、自分たちに合ったものを探していました。
その結果、とあるふりかえり手法に現在落ち着きましたので、その手法について今回お話ししたいと思います。

ふりかえり手法の試し方

手法についてお話しする前に、どのようにふりかえり手法を試していったのかを共有します。
さまざまなふりかえり手法を試したいものの、メインのふりかえりをやるたびに手法を変えるのでは、毎度慣れない方法で行うことになり、質の良いふりかえりを行うどころではありません。

そこで「メインのふりかえり」のやり方をカイゼンするための「ふりかえり」(以下「ふりかえり の ふりかえり」と呼ぶ)を行う時間を取り、その時の手法を変えることで、その手法が良ければ「メインのふりかえり」に適用する、という流れにすることにしました。

メインのふりかえりは1時間、ふりかえり の ふりかえりは30分で行なっていたため、気軽に試すことができますし、何度か試すことも容易です。

今まで試してきたふりかえり手法

今まで試してきたふりかえり手法は下記です。

  • タイムライン

  • 学習マトリクス

  • KPT

  • 熱気球

  • Fun / Done / Learn

  • 1%のカイゼンアイデア

  • Starfish

  • Good / Bad / Ideas / Action

各ふりかえり手法の説明は割愛するので、気になる方はぜひ調べてみてください。
これらの手法を試す中で、いくつかの意見がメンバーから出てきました。

「悪かったこと」を言いたい

と書くと悪口を言いたいのかと誤解されるかもしれませんが、そうではありません。
試した手法の中には、直接的に「悪かったこと」を言わないことで、モノゴトを前向きに捉えるふりかえり手法がありましたが、率直に「ここが悪かったから直したい」と思った反省を歪曲させて振り返るのは難しい、という意見があがりました。

やっぱりKPTがいい

試したふりかえり手法で共通していたのは、「プラスの出来事」と「マイナスの出来事」を感情や事実ベースで挙げ、カイゼンするためのアクションを検討する点です。
KPTは「Keep」「Problem」「Try」を考える、というシンプルな方法で上記の共通点をカバーできていて、かつメンバーも慣れている手法でした。
どの手法が優れているという話ではなく、KPTこそがプロジェクトに合っていると感じました。

KPTの問題点

KPTは素晴らしいふりかえり手法ですが、「Problem」の数が多くなりがち、という問題点を抱えています。
これではお互いの悪いところばかりが目につきますし、スクラムの価値基準の1つである「お互いの尊敬」が危うくなると感じました。

そこで、KPTがベースになっていて、「問題点を指摘しつつも、相手の悪いところばかりに目がいかず、良い気持ちで終わる」手法を見つけました。
それがKPTTです。

KPTT

「KPTT」のやり方はほぼKPTと変わりません。
「Keep」「Problem」「Try」に「Thanks」が追加された手法になります。

プロジェクトでは上記の表を使い、下記の流れでふりかえりを行なっています。

  1. 「Keep」「Problem」を各自、事前に記載しておく

  2. 議論したい「Keep」「Problem」に対して投票

  3. 票が多い順に、1付箋の目安を10分としてTryを検討する

  4. ふりかえりの最後の5分間で、感謝を1人1つまで共有(付箋はたくさん書いても良い)

このやり方で大事なのは、感謝の共有の時間は必ず取ることです。
議論が盛り上がり、時間が無くなって、共有の時間をスキップしたくなることはよくあります。
しかし口頭で感謝を伝えることで伝わる気持ちが大事だと思っていますし、気持ちよくふりかえりを終えることができます。

他のメンバーも「感謝の時間いいね」と言ってくれていて、全員最低1つは発表してくれます。
それにより私自身も心が温まったり、他の人への「感謝」を見てすごいと思ったことは何度もありました。

ふりかえりもカイゼンしていく

KPTTはKPTに「Thanks」を加えた手法ですが、他のふりかえり手法の最後に「感謝」を追加しても良いかもしれません。
大事なのは、それぞれのプロジェクトが大事にしていることや、メンバーの性格を踏まえ、自分たちに合う形を模索していくという姿勢だと思っています。

それではKPTTに倣い、感謝の言葉で締めくくらせていただたきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!