見出し画像

部署を越えたチームで作り上げた「見て乗って楽しいバス」機能の裏側について


こんにちは、シロクロとピーナッツです。
ナビタイムジャパンでバスロケ※機能の開発と『バスNAVITIME』のデザインを担当しています。

※バスロケ(バスロケーションシステムの略。バス車両に取り付けたGPS端末などを活用し、バスの運行状況をリアルタイム把握できるシステム)

今回は、6月にリリースした「見て乗って楽しいバス」について、機能が追加された経緯と開発背景についてお話しします。
この機能では、単なる移動手段としてのバスを超えて、魅力的なバスを見る・乗るという体験を目的としたバス利用の新たな移動体験を提供します。

本機能のプレスリリースもよろしければご覧ください。

きっかけはSNSと社内の声

ある日、SNSで「こども運転席」が話題になっているのを目にしました。
「どのバスに乗ったら出会えるんだろう?ネット検索とかできるのだろうか?」という声が上がっているのを見て、『NAVITIME』で持っているデータと連携することで、いつどこに行けば乗れるか分かるようにならないか?と考えたのが最初のきっかけでした。

アニメやキャラクターとのコラボでラッピングされたバスや特別な装飾がされた観光周遊バスなど、各地で限定的に走っているバスに乗ってみたいという声は社内でも多かっため「見て乗って楽しいバス」の検討を始めました。

ホワイトボードを使ってブレスト

どのような機能にしていくかホワイトボードを使ってブレインストーミング(以下、ブレスト)から始めました。
まず、どのような種類の車両があり、それぞれのバスに乗る目的や利用シーンがあるか洗い出していきました。そこからユーザーが知りたい情報を深堀りしていきました。


ブレストの様子

ブレストを重ねる中で、社内で以下2つの課題が浮かび上がりました。

  1. そのようなバスがあることを知られていない
    どんな特別車両や企画車両あるのか、そもそもそのようなバスが存在すること自体を知らない人が多いということです。
    街中を走っているバスを偶然見かけたり、好きな作品のコラボをきっかけに気づくこともありますが、運行期間が限定的なものも多いため、バス会社のHPやお知らせを小まめにチェックしない限りそのようなバスの存在に気づくことが出来ないまま、見に行く・乗りに行くチャンスを失ってしまいます。

  2. 見つけることの難しさ
    見たい・乗りたいバスがあっても、いつどこを走行しているのか分からないという難しさがありました。
    実施が期間限定であったり、走行する路線や運行時刻・車両が限定的なものが多く、確実に出会うためには事前に運行路線や時間を調べておく必要があります。ユーザーの声を調査してみても、偶然見つけられるもの・走っているバスから探すものという印象が強いように思いました。

ただ情報を表示するだけではなく、この2つの課題を解決しないと、実際に「バスに乗って楽しむ」という体験まで辿り着けないと感じました。

実現までの過程

本機能は関係するチームから代表者が数人ずつ出て担当チームを組んで進行してきました。
魅力的な機能にしていくためには何が必要か考えていくうちに、多岐にわたる関係部署の人が機能提案に参加するというチーム編成になりました。

機能開発に携わっている各部署

専門担当者が参加することで、新しいアイデアが生まれた際には、ゴールから逆算して最短で実装することができました。トップダウンでもボトムアップでもないチームで開発が進められたため、当事者意識が芽生え議論がぶれずに進んだと思います。

しかし、各部署で優先する仕事が異なり、主導者が不在だと、プロジェクトが途中で止まってしまうことや、進捗が見えにくくなる懸念がありました。その上、いつも誰かしらが進めてくれているという安心感がある一方で、実際に誰が何を担当しているのかが不明瞭なケースも出てきました。

そこで、各チームが何を目指して行動するのかを明確にするために、目的やゴールをすり合わせました。今回は「プレスリリースを出す」という共通の目標を定め、いつまでにどういう状態を目指すのかを事前に合意を取りました。こうすることで、各チームが自分たちの役割を理解し、その取り組みが全体にどう貢献するかがはっきりしたと思います。また、定例会で進捗状況を確認しあうことで、プロジェクトをスムーズに進めることができました。

当社は通常、研究開発部とサービス開発部が連携する場合は手順に則り依頼することが多いため、検討から実現まで異なる部署の人が全員で進めるというのは結果的に社内でも珍しい試みとなりました。

バスに乗るまでを楽しくサポートするUIに

バスに乗ること自体を目的にしてもらうために、紹介ページでは写真と紹介文を乗りたくなるようにまとめ、バスの名称だけでは分かりずらい種別をタグやエリアで表示分けできるようにデータ整備も行いました。

紹介ページ

今どこにバスが走っているのかがわかる、バスロケ地図では、どんな見た目のバスが走っているかまでわかるようにしました。本機能は、紹介画面からだけでなく時刻表やルート検索といった日常利用が多い画面でも自然に気づけるような設計にしました。
加えて、バスの名前をタップするとバスの紹介文が表示されますので、より多くの方にバスの新しい楽しさに気づいていただけます。

時刻表とバスロケ地図

実際にアプリリリース後の反応でこのようなバスがあるということを始めて知った!という声もありました。

まとめ

私たちは、これからも全国のバス会社と協力して、さらに便利で楽しい情報を提供していきます。バスに乗るという体験が、ただの移動ではなく、特別な楽しみになるように。
そして、もっと多くの人にバスの魅力を知ってもらいたいと思っています。「見て乗って楽しいバス」を使って、あなたも新しいバスの楽しみ方を発見してみませんか?

実際に見てみたくなった方は・・・
以下からぜひアプリをダウンロードいただきご利用ください!