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ナビタイムで出る飛行機の経路バリエーションが増えました!

こんにちは、ぬるいずみ(温泉)・i18n・co-yarnです。
ナビタイムジャパンで経路探索の研究開発をしています。

皆さんは「飛行機」をよく利用しますか?
私はたまに乗っています。

夏まっ盛り、旅行に帰省、レジャーと飛行機に乗る機会も増えてくる季節です。

そんな時に悩ましいのが「飛行機選び」。

「どの空港から乗ればいいの?」「どの航空会社が一番安いの?」など悩みは尽きません。

「近い空港から乗りたい!」「なるべく安い飛行機を使いたい!」など重視する内容も人それぞれです。

例えば急な出張などで、とにかく早く目的地に着きたいと思われる方もいるかもしれません。

また私のような価格を重視する人間にとって、安さが売りのLCC(格安航空会社)の利用は、大変魅力的な乗り物です。ちなみに当社でもそのようなニーズに応えるべく、以前から LCCの検索・予約機能 を提供しています。

LCCの検索・予約機能

しかし、できることならLCC以外の航空会社の運賃や所要時間、また到着時間などを比較しながら、自分に合った経路を選びたいもの……

そこで今回は、当社の経路検索で「飛行機の経路バリエーション」を増やす対応をしましたので、そのお話をしていこうと思います。

①早く目的地に着きたい

対応前:羽田空港や成田空港しか出ない例

『NAVITIME』アプリでは、水戸から博多までを検索すると、羽田空港を利用する13:50着の経路が一番早く着くと出ます。
しかし調べてみると、茨城空港を利用する場合、博多の到着が12:26となり、羽田空港を利用するより早く到着できることがわかります。

どうして茨城空港の経路が出ていなかったのでしょうか。

茨城空港のアクセス方法

羽田空港までは電車・バス・モノレールなどでアクセスができますが、茨城空港の場合は自動車・バス・タクシーが主なアクセス方法となります。

対応前は、電車でアクセスしやすい空港など、時刻表で他の移動手段との接続がスムーズに行きやすい空港や、頻繁に運行している飛行機を優先して選ぶようにしていました。
しかし今回の対応で、本数が少なくても空港連絡バス・路線バスから飛行機へスムーズに接続できる場合は、その空港・飛行機も優先して選ぶようにしました。

他の例も見ていこうと思います。

②安い経路を利用したい

対応前:羽田空港を使ってLCCが出ない例

日暮里から新千歳空港まで、12:00出発の条件で検索した場合の経路です。
全て羽田空港を利用する経路となっていて、JAL・ANAを利用する経路を提示しています。

「安い行き方とも比較したい!」というユーザーからすると、成田空港からLCCを利用する経路も出して欲しいところですが、今までは出ていませんでした。

どうしてLCCの経路が出ていなかったのでしょうか。

当社の経路探索エンジンでは、計算を高速に行い検索結果を早くユーザーに届けるため、経路検索の時点では運賃は概算値を使用しています。

その際に、鉄道などでは会社ごとの運賃の差を考慮して概算しています。しかし、飛行機は会社ごとの運賃の差を考慮していませんでした。

なぜ考慮していなかったかというと

  • 経路探索エンジン開発当初は、各社の運賃の差が大きくなかった

  • 安価にサービスを提供しているLCCは変動運賃のため、基準となる運賃がなかった

そのため、LCCの利点である運賃の安さが計算に含まれていませんでした。

そこで飛行機でも航空会社ごとの運賃の差を考慮して概算できるように、各航空会社の実勢価格に合わせて概算値を変更しました。

改善結果-①早く目的地に着きたい

対応後:より早く着く茨城空港を使う経路が出る

水戸から博多まで、8:15発の例では、
羽田空港を使って13:50に到着できるのが最速でしたが、茨城空港から飛行機を利用して、一時間以上早く到着するルートを提案できるようになりました。

改善結果-②安い経路を利用したい

対応後:羽田空港と成田空港の両方を提示
第2経路にはLCCを使用して安く移動できる経路を提案できるようになった

日暮里から新千歳空港までの例では、羽田空港を使う経路と成田空港を使う経路の両方を提案できるようになりました。

特に第2経路では、LCCを利用して最安で移動することができるルートを提案できるようになり、ユーザーにとってその時々に最適な経路の選択が可能になりました。

おわりに

飛行機の経路バリエーションが増えたことで、「近い空港から乗りたい!」「なるべく安い飛行機を使いたい!」など自分の好みにあったルートを検討しやすくなりました。

また、災害や機材、システムトラブルなどで一部の航空路線や空港が利用できない場合でも、別の航空路線などを使った経路を提案できるようになったことで、万が一の場合でも安心して移動できるようになりました。

今後について

現在の当社サービスでは、正規運賃を表示しており、早期割引や空席数などによる価格の変動を考慮した金額を表示できていません。
また、LCCは正規運賃が存在しないため、変動する価格の最大値を表示しています。

結果としてLCCとその他航空会社で、実際の金額とアプリで表示している金額が逆転してしまうこともあります。

実際に航空券を購入する際には、通常の航空会社も早期割引などを適用されていることが多いため、正規運賃で購入するとは限りません。

現状では予約ページまで行かないと実際の価格を確認できないので、比較する場合は航空便ごとに予約ページを確認する必要がありますが、今後はその価格変動も考慮し、当社サービス内で比較できるように検討しています。

飛行機を使う夏のお出かけや帰省の際は、ぜひ『NAVITIME』アプリをご利用ください!
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