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エデンの夏

水しぶきや歓声がそこら中でしていたのに
鉛色の雲に雷鳴が響くと 
ぼくらは二人きりになった

水からは上がらずに
立ち泳ぎで顔だけ出して
魚眼(フィッシュ・アイ)であの日見たのは
丸い空に稲妻ー

入江に風が吹き、空に海が映っていた
沖を行く船が雲に浮かび
水着の君が空を泳いだ

仰向けでゆらゆらと
水を蹴る長い脚を
不思議な生き物のようにずっと見ていた
得も知れぬ狂暴な感情に
叫びたくなるたび
空が光った

罪もないのに罰を受けるなら
このままがいいと
君が笑ったのは
エデンの夏

雨のドラム・ロールが監視員の声を消した
高い波が全ての色と
君と
何もかもを連れ去って 今

無人の砂浜 
閉じたボート・ハウス

入江に風が吹き、海に空が映る
ひこうき雲が波を起こし
空の君が
水着で海を泳ぐ

罪もないのに罰を受けるなら
このままがいいと
君が笑ったのは
エデンの夏

鉛色の雲に雷鳴が響くとー

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