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一つとして同じ顔はなく そのうえ ニヤリと笑って見える トマトの赤が はみ出ていると 舌を出…
十一月 空は雲一つない快晴 窓から富士山がキレイに見える 昨日、部屋干ししたままの洗濯物を…
秋 途絶えた日記帳の 白いページの中から 突如 神の化身の如き数頭の馬たちが駆け出して ぼく…
水しぶきや歓声がそこら中でしていたのに 鉛色の雲に雷鳴が響くと ぼくらは二人きりになった…
誰も食べたことのない菓子の味を知るためには 食べたことのある人から聞くしかなくて でも近ご…
月光の海の その無音の群青に いつまでも身を浸していると 魂はいつしか 降り注ぐ光の矢から …
Skypeを待つあいだ 火山が噴火した 遠い国にいる君も この国にいる僕も その音を聞かなかった Skypeを待つあいだ ウィリアム・ブレイクを読んだ 正確には ブレイクについて書かれた 本を読んだ 「想像は吾が世界である」と 神秘的な詩人は言った Skypeを待つあいだ 時差について考えた ディスプレイに映った君は ほんとうに君だろうか? あの光を放つ星さえ 遥か昔に 消滅している かもしれないのに Skypeを待つあいだ 「イマジン」を聞いた 通信技術の進歩で 世界
何が 春に終わりを告げたのかは 誰も知らない ただ 初夏の風が 手紙のように届けられ …
古代美術に触れ その作者にまで想いを馳せる人は稀だ まるで宇宙の創生から すでにそこに在っ…
轆轤(ろくろ)を楽器にして 独自のフォルムを奏で続けた手 <いや、違う アルビオン・ミューズ…
美しいものを見るためには 身をかがめねばならない フンコロガシのフォルムに見惚れた アンリ…
年老いた太陽が いつまでも水平線に触れずにいる 時計は止まったままで ぼくら ずっと夕暮れ…
市街地の真ん中の 発掘現場に 古い溝が出てきた 大人の背丈より 深く 飛び越えら…
空のミュージアムから 落ちてくる笛の音(ね) あの羽根の色を模写したい そのノートから 同じ模様の鳥を 飛び立たせたい 毎朝 公園のベンチで 警備員が落とすパン屑を食べ もう何度も輪廻した鳩 電車が通り過ぎるたびに 飛びのいてはまた 街路樹に舞い戻るハクセキレイ スマホで写した 名の知らぬ鳥たちが 送信ボタンの一押しで 一斉に羽ばたく幻を見た 未来の遺跡に 緑が絡まり その木の葉を啄む 虹色のオウムの夢も もう どんな想像力も あの鳥よ