画角とシャッターチャンス

写真がデジタル化してカメラの性能が格段に良くなると写真そのものはシャッターを押せばある程度（かなりのクオリティ）で「写真」は撮ることができる。

化石のような話と思われるかもしれないが写真はカメラの機能を熟知していないといい写真が撮れない時代があった。
絞り、露光時間、ホワイトバランス、ISO感度、レンズ。これらの組み合わせでどんな写真になるかをおおよそイメージしながら写真を撮る面白さというものが以前はあった。いや、そのスキルを知っていることが「写真を撮れる」ということだと思っていた時代もあった。

少々乱暴な言い方をすると画角をあわせシャッターを押せばあとの調整はデジカメなりスマホがやってくれる。

車で言えばオートマとミッションの違いのようなもんだ。

撮影スキルは今はもはや写真を撮ることには必要のない知識と化してしまっている。
この言い方は誤解を招きそうだ、撮影スキルを知っているに越したことはないが、その知識があることが逆に本来の写真としての「絵」を撮る上で邪魔な知識になっていることに気づいたのだ。
フィルム写真撮影の癖が完全に抜けていないのだ。

結局写真は良い絵が撮れればそれでいいのだ。
極端な話、良いカメラであるかどうか、レンズや絞りやそんなことはどうでも良い。
それともう一つ大事なことがある。それはタイミングだ。いくら良いカメラを持っていたとしてもシャッターを押すタイミングまでは教えてくれない。

画角とシャッターチャンスこの2つ要素がうまく交差したときいい写真が撮れるのだ。

今日の夕焼け