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生きる糧

皆さんの生きる糧はなんでしょうか。

仕事に恋愛に、自分の人生に飾りを着けるようにあまくて優しい言葉で飾り付けていく。
誰もが自分の好意に素直に生きる世界の中で何を正義と思って生きていけば良いのだろうか。

Tシャツが汗ばむような軽い正義も、
震える手のひらを血が滲むほど握る正義も。

何を自分の生きる糧にしているのだろうか。

今まで人生は長くて途方もないものだと思っていました。
流れる水に乗る木の葉のような。
もしくは風に吹かれるあなたの前髪のような。

でも、

人生はただ流れていくものでは無いと知りました。

人生の長さも生き方もある程度自分で決めることができることを。

突然降る雨のような、
もしくは鋭いナイフで指を切るような。

そんな人生の流れの中で何を糧に生きていけばいいのでしょうか。

ぼやけて見えるけしきのなかで見えたはるか遠くの季節の中であとどかない重いだけ食う気に溶かして生きている。

それが私の大切な世界であることに気づけた私は今までよりも強くなれるような気がしている。

買ったばかりのアイクリームが親指に溶け始めるような、そんな優しい恋の瞬間を私はもう一度味わいたい。

遠い記憶の中のあの忘れられない瞬間を、
体が覚えている、そんな瞬間を私は生きる糧にしている。

その糧は色褪せることはあるだろうけれど完全に記憶から消えることはきっとない。

その糧を失った時、私はきっと色を失うだろう。

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