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「事業計画書」必要なのか?害なのか?

先日の飲み会で
「事業計画書なんてほんとは必要ない。ベンチャー企業で事業計画書を作成しなかった方が業績が良かったとの研究もある。」
との話を中小企業診断士の人が話してました。

その場では議論に加わりませんでしたが、私自身は基本的に”事業計画書必要派”です。
なんとなくもやもやとした感じが残ったので、今回はnoteを使って頭の整理をしてみます。

中小企業に事業計画書は必要か?

事業計画書が必要かどうかは、経営者の考え次第です。
では事業計画書があったほうが業績が伸びるのか、むしろ業績が落ちるのか。

コンサルタントや中小企業診断士の模範的回答からすれば「事業計画書は必要」と答える人が多いでしょう。
事業計画書があったほうが業績が良かったとの統計もあったりします。
一方、ちょっとググると有名なベンチャー支援者が事業計画書を作ることに否定的だったり、コンサルタントとして活動している人も不要と言ったりしています。

これは私も迷います・・・改めて考えてみます。

事業計画書を作ることが得か損かで考えるものではない

私の考えからすると、「事業計画書を作るから業績が伸びる、伸びない」で考えるのではなく、「その会社にとって必要なのか必要でないのか」が先です。

〈資金調達〉
例えば、初めて銀行からお金を借りる場合だと、大体は事業計画書を求められます。
あと、補助金のようにお金をもらう場合も必須です。

このように、第三者から資金の提供を受けるなどの場合は、説得材料として必要です。

これはこちら側に決定権はなく、相手側から求めらているからです。
ドラマのように経営者の人柄や考えにほれ込んでお金をポンと出してくれるということは、稀なのではないでしょうか。
少なくとも私は知りません。

〈組織〉
また、従業員に会社の方向性を伝える場合でも計画書があったほうが良いでしょう。
こちらは当社スタッフが書いたブログですが、従業員目線で事業計画書があると良かった体験が書いてあります。

小さな組織の場合は社長の考えがすべてと言ってもいいので、スピード感重視で朝令暮改を恐れず突き進むほうがいいこともあるでしょう。
社長の考えに100%賛同しているような従業員ばかりだと、いちいち事業計画書などを作る必要もないでしょう。

一方で、大なり小なり経営者の考えにたいしての理解が不足していたり、方向性がコロコロ変わって従業員が戸惑っていて思ったように進んでいないのであれば、何かしらの書面の計画書があったほうが良い場面もまります。

私も元会社員でしたので、判断の指針が欲しいと何度も思ったことがあります。

〈経営者〉
動物的勘がすごく、感覚的に打ち手が次々と成功するタイプの経営者は事業計画書は必要ないと思います。
このタイプはむしろ、のびのびとクリエイティブな環境に身を置くのが良いのでしょう。

一方、感覚で目の前のことだけを忙しくこなしているけど儲かっていないような場合だど、客観視するために事業計画書の作成は有効だと思います。
人間忘れやすいので、仮説と検証をするためにも書面で残すことは良いことと考えます。
大半の人はこちら側ではないか?と思いますが。

このように、私自身は必ず事業計画を作らなくてはならない、作るとむしろダメだ、というのではなくその会社のその時の状況に応じてかなと思います。

事業計画書は確かにその通りにならない、が、だからと言って意味がない訳でも無い

「事業計画書を作ったところで、その通りになる訳がないから意味がないんだよ」
とも聞きます。
私も、事業計画書がその通りになるとは思っていません。

また、「最近は環境の変化が速いので、計画書ができあがったらすでに前提条件が変わっていて計画書の意味がない」とも。
確かに変化が早いですよね。

事業計画書通りにすることが目的でなく、事前に準備したことが大事

以前何かの本で読んだのですが、「戦争において戦略や計画を練ることが大事であるが、その通りになることはない。計画立案した過程が大事であり、それがあるから変化にも対応できる」的なことが書かれていました(うろ覚えですが・・・)

私はこの考えが最も腑におちました。
(腑に落ちて、メモしたはずが探せず)

事業計画は本当にその通りになりません。
良くも悪くも、想定通りにはなかなかいきません。
それは当然ですよね。
経営は相手あっての話ですし、それ以外にも内外の環境変化も大きくかかわります。

ですが、仮説を考えて検証することに意味があると思います。

何が良かったのか悪かったのかを、省みること。
これが経営力を上げる道の一つと思います。

環境の変化が早ければ、60~70点の計画書でもいいと思う

「事業計画書はキッチリ作らなければならない」
となると、時間もかかりますのでその間に変化もしてしまうこともあるでしょう。

融資とか補助金とかの場合は別として、社内用であればササッと簡単に1~2日くらいでまとめたものでも中小企業であればいいのではないかと思います。
それを事業計画書と呼ぶかどうかはさておき、仮説を記し振り返りの材料をつくることが重要かなと思います。

変化すれば、都度都度作り変えるくらいの考えでいいと思います。
どうせ変化するのであれば、60~70点で作り続けていくのも一つかなと思います。

行き当たりばったりとスピード重視経営

よく言えば、スピード重視の経営。
悪く言えば、行き当たりばったり。
思い付きで行動するのは良いのですが、改善の跡が見えないと行き当たりばったりに過ぎません。
学習をしていないようであれば、「行動が一番」とも言えません。
無駄な動き、意味のない動きをいつまでもしているようでは、生産性も上がりません。

一般人であれば、学習のために振り返りの材料を残すことが必要と思います。

まとめ

と、ここまで書きながら頭の整理をしてみました。
事業計画を作るほうが基本良いと思ってます。
しかし、それも会社によって様々です。
また、どれくらいのレベル感で作るかもその時々です。

仮説の言語化。
振り返りの材料、学習するための材料。
第三者への説得材料。

最終的には経営判断ですので「どっちもどっち、好きにすれば」になります。
経営は何が正解かわかりませんし、今日の正解が明日には間違っていることもたくさんあります。
人それぞれ信じる道を進むということに行きつくのでしょうか。

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