見出し画像

音楽の古臭たち、そして騒音8            music fluxos, and so on 8

フィンランドの深遠なる森より現れた妖精

うん、今回はメタルという
ジャンルの音楽について語ってみたい。
とってもうるさいやつ。
そもそもメタルってやつは
年中ドラムがドカドカ言ってて
ギターが年中ひゅんぎゅんいってて
だみ声のあんちゃんが年中がなってて
とかいったステロタイプでとられがちなんだよね。

まぁいいけどね。そいうとこもあるから。

でさメタルってジャンルのもイロイロあるんだ。
デスメタルとかメロディックメタルとか、
フォークメタルとかシンフォニックメタルとか、
and so on.

今回取り上げるのはフォークメタルの変種、
森メタルの代表選手なのだね。

コルピクラーニ
荒野のコルピクラーニ

上に出したのは日本盤の帯から抜粋したもの。
妖精っていうけど、
メンバーは髭もじゃの暑苦しい男たち。

あのぅ、ドワーフは妖精ぢゃないんですけど。

メタルの人は大体こうだからいっか。

2005年のアルバムだから18年前。
半端な古さだね。
この人たちはそもそもサーミ人の音楽ヨイク
からスタートしてなぜかメタルになっちゃった。
だからラジカルトラッドのムーヴの影響を感じるのだね。
でもって森メタル。
そーいうatomosphere。

11曲あるナンバーを面倒だけど順番に紹介してしまおう。

1.サウナでひとっ風呂
 フィドルのソロからアルバムは開始する。
 と、油断させておいてメタル特有の疾走感丸出しの演奏に転じていく。
 敵の前線を突破して、攻撃して燃やしてしまえ。
 奴らを生かしちゃ置かない、毎晩砲火をあびせ 
 そこはどこもかしこも焼き払われていた。
 (サウナは焼け野原にコテージを建ててそこに作るそうです。)
2.旅行けば
 フィドルとメタルビートが一体化してEPIC感があふれる。
 長い道のりは過去のもの
 目の前にある飢えがオレを先に進ませる。
3.燃えろ!キャンプファイヤー
 抒情的にギターが語る。
 奴らは村々を残らず焼き払い、強姦して、破壊して、金銭を奪った
 王への税金の取り立てが奴らの使命だった。
4.魔の森に立ち向かえ
 インストナンバー。素朴さを感じさせる横笛の音色が
 トラッドっぽいフォーク感をさらに盛り上げる。
5.森の中でハッスルハッスル
 ヨイクのような人の声で
 オーロラの中に隠れている樹林の精霊を歌う。
 それは真に人を自由の身にしてくれると。
6.大自然って気持ちいい
 根本的にメタル。根本的に愛国。
 我が故国は、未来に立ち向かい、気高くしている、
 決して破壊されないであろう。
7.「狩り」こそ漢の宿命
 迷惑なくらいノリがいい。
 森に生きる狩人は最も強いものだけが生き残る。
8.ビール飲み放題
 インスト。とにかくテンション高く畳みかけてくる。
 だって飲み放題だから。
9.吐くまで飲もうぜ
 相変らずノリノリ。ビールが足りないのだろうか。
 ありがちなリフがちりばめられている。
 これは、つまみなのかねぇ。
 最後に酔いつぶれて寝てしまう。
10.実録!フィンランド昔ばなし
 唐突に少女と貧しい少年の悲恋のお話。
 しっかりとフィドルが仕事をしてトラッド感マシマシ。
11.悲しみのコルピクラーニ
 引き続きフィドルが仕事をします。哀愁注入。
 凍り付いた未亡人が口ずさむあまりにつらい歌を聴き
 俺は死の悲しみと苦痛を感じる
 戦争の冷酷な招集令。

邦題と内容のあんまりな乖離が何とも言えないね。
このバンドの日本盤は概ねこんな感じ。
森メタルていう言い方もオーバープロデュースぢゃないかな。
(日本のプロモーターの仕業みたいだね。)
ふつーにフォークメタルでもイイと思うけど。
ただ中身からいってなんか今という時代に
刺さるような気がするのだね。

とか思いながらこのバンドの公式サイトを訪れたら
今やってるあの戦争を歌ってるとしか思えない
PVがあがってた。
タイトルはCrystallomancy
ぜひこれもどうぞ。
延々と続くひまわり畑のシーンなんか泣けるぜ。

E.N.D.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?