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美術館で会った人だろ、アンタ。 5

Parallel Lives 平行人生
―新宮 晋+レンゾ・ピアノ展

まだまだ暑いね。
クーラーの効いてない外に出るのが嫌でね。
ずっと引き籠りだよ。
こりゃイカンという訳でまたもや大阪だよ。

大阪中之島美術館。
国立国際美術館のすぐ北隣りにある。
前に阪大医学部があった跡地らしいが
まぁそんなこたどーでもいい。

でもカッケー建てもんだぜ。
アプローチすっとヤノベケンジの
おっきなフィギュアが出迎えてくれる。
好きだね、こーゆー感性。
中入るとすげーモダンなつくりになってる。

会場は5階。
途中エレベータと階段の脇に
何気に、もひとつヤノベケンジのフィギュア。
これは2フロア吹き抜けが必要なでかいやつ。
ここでも手抜きはしないのね。

4階では「民芸」展を開催中。
あたしは違いの分からない阿呆だから
これはパス。

で5階だ。
なんとなく面白そうでやってきたけど
二人の人についての予備知識なんてない。
ピアノさんて人はポンピドーセンターだったっけ。
その程度。
でも建築のスケッチって面白いんだよね。
建築家の頭の中から湧いてきたイメージが
生に近い感じで表現されてて
スゲー興味深いのだよ。

新宮さんは芸術家で、風で動くモビールみたいな
立体彫刻をいろいろ作る人。
ピアノさんはイタリヤを中心に
モダンでカッケー建築をいっぱい設計した人
だそうだ。

そんな二人をなんで並べて展覧するかっていうと
関空のビルを作るときに
どうしても新宮さんの作品を取り入れったくて
ピアノさんがアプローチしたんだって。
で話してみたら、二人は同い年で
新宮さんはイタリヤ語もイケるひとだったんで
話し込んで意気投合したんだって。

そーゆーことはあるんだね。
近いようで微妙に違い仕事の人だから
お互いにリスペクトしやすかったんだろうね。
だからその後も世界のいろんなとこで
コラボしてる。
それを開陳してくれるってわけだ。

会場で二人の対談をビデオ放映してた。
結構長いものだったんで
後日テクストで提出してくれたまえ
って感じなんだけど
ピアノさんはご父君が伝統的な
重い建築をものする建築家だったんで
軽い建築を目指したかもしれないって言ってた。
新宮さんは若いころイタリアに留学してたんで
ピアノさんの感性に
通じるところがあるんじゃないか
って言ってた。

確かに新宮さんの作品は風を受けて動く。
軽くなきゃ動かない。
自然の風に反応していろんな表情を見せる。
ピアノさんの作品は
きっとすごい技術の結晶なんだろうけど
その表情はなぜか自然の行いを
感じさせるものがある。
やっぱ相性が良いのだね。

さてこの展覧会の主人公は芸術家と建築家
であるんだけど
もう一人?一杯仕事をしてくれたひと(達)が
存在する。
スタジオ・アッジーロですね。
まぁ私感ではあるが
芸術家と建築家の二人を主人公にして
ひとつの作品にしてみた
そんなことを感じた。
白い壁面にビデオを投影してたんだけど。
よくあるじゃない
ただテレビを置いて延々とヴィデオを垂れ流すの。
じぇんじぇんセンスが違うの。
結果インパクトがすごい。
こんなのが夢に出てくると素敵だなぁって感じ。
入場料は少しお高かったが
ええもん見せてもらいました。

さて若い友人諸君に申しあげたいことがある。

遠足はうちに帰るまでが遠足である。

何が言いたいかっていうと
帰りは愉快酒場に寄り道して
クワ焼きをあてにして
黒ビールとハイボールをやっつけて
ご機嫌で帰宅したってことであります。

E.N.D.


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