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9年、いかに縁側に座ってもらえるか考えた結果

私は、9年間、日本で唯一の縁側情報サイト「縁側なび」で情報発信してきました。

「縁側っていいよね〜」
「縁側でスイカ食べたい」
「縁側でビール飲みたい」

など、縁側が好きと共感を示してくれる人も多く感じました。
夏になれば、縁側を使ったCMが増えることも多く、理想的な縁側の過ごし方を視覚的に認識する人もいるのではないでしょうか。

他にも、小さい頃から親しんできた「となりのトトロ」、夏の代名詞「サマーウォーズ」など映画やドラマ、毎週放送されている「ちびまるこちゃん」「サザエさん」でも縁側は出てきますよね。

テレビでは意外と流れていますが、今や縁側は「非日常」空間。高度経済成長を機に団地が増え、収納の方が大事になり、その結果、縁側は無駄な空間とされてきました。そんな縁側は、もはや絶滅危惧種ともいえます。

減少して身近にない縁側を、インターネットを通して伝えても限界がある。座りたい人がいたら一緒に縁側に行って座った方がいいし、情報だけでなく、違う角度から認識することで縁側に行きたくなるかもと思い、この9年間、人はどうやったら縁側に座りたくなるものか、座れるきっかけを作れるのかを考えてきました。

振り返ると結構いろんなことをやってきたと思うので、紹介します。

1.縁側deヨガ

埼玉にある農園付き古民家「corot」
すごく好きな古民家で、夏の季節にこの縁側に座って欲しい!と思ったことがきっかけです。
一緒に縁側に座ろう、だけでは企画として弱いと思ったので、古民家でヨガをすることに。
終わった後には、イベント参加者と一緒に縁側でスイカも食べました。この時は古民家に興味もあるし、縁側にも座りたい、という人が来てくれました。

2.縁側写真展3回開催

病院の待合室に展示

2013年に西荻窪にある古民家カフェ「松庵文庫」の2階の一室を借りて、縁側写真展を開催。人気店のカフェの上なのに、トータル5人くらいしか来なかった気がします。その後、2014年に千葉に稲毛サティクリニックの院長からお声がけいただき、病院で写真を2週間展示。 

そのあとは、2015年に京都の町家アニュアルギャラリーで写真展「縁側旅記録」を開催。

おにやんま五反田店では常設

実は縁側の写真が飾られてます。もともと大学生の時からよく通っていて、昭和の歌謡曲がよく流れる店内で懐かしさを感じてました。そこで、壁に貼られている写真も懐かしさを感じられたらいいのではないかと思い直談判。といってもビビりなので、手紙を書き、よく見る店員さんに渡しました。そしたら、連絡があって許可をもらい飾らせてもらってます。

3.縁側浴の提唱

梢乃雪の縁側

縁側に座ると癒される。何かマイナスイオンでも出てるのでは?と思い、森林浴ならぬ縁側浴を提唱。縁側に座ると癒されて疲れが取れるはず、みたいなことを言っていました。当時は縁側に座るとどんな効果があるのか?と数値的なことを言いたかったので、学者とコラボしたいとか言っていた記憶も笑
今や、温冷交互浴やサウナが流行りましたが…。縁側浴も疲れたサラリーマンにリーチさせたかった…!!!

4.縁側deウェディング 

K組だったからKのポーズをしてます笑

葉山の古民家別荘「Nowhere but Hayama」を借りて、結婚式をしました。この時の目的が、家族写真を縁側で撮ることと、友だちを縁側に座らせること。当時20代だった友だちは「はじめて縁側に座った!」と言ってくれたので、興味のない人を座らせることに初めて成功した時でした。

5.縁側のある家で暮らしている人を集めた冊子発行

撮影 カナエナカ

縁側のある家に住んでいる人を取材して、冊子としてまとめました。関東5件、関西5件。それの制作費のためにクラファンもしました。
この頃にはもう出版できる見込みはないと諦めてた時期で、それなら自分で作るしかない!と自分の憧れを詰め込んだ冊子を作りました。古民家はもちろん、古民家リノベ、マンションリノベ、新築で縁側のある家を建てた平屋のお家も取材しました。

6.縁側Tシャツを販売

縁側=古い、レトロというイメージだと思うので、もっとオシャレな人に着てもらえばいいのでは?と思って、「縁側でスイカを食べるCity GirlのTシャツ」を作りました。サステナブル素材ブランド「COVEROSS®(カバロス)」とのコラボ。これはほぼ知り合いしか購入してないので、効果はわからなかったのですが、インフルエンサーが着てくれたのでOKです。(ギフティングしてませんよ!)
Tシャツ作りは本当に大変だったけども……。

7.縁側ツアーの開催

鎌倉に移住する前から何度かスポットで縁側ツアーを開催していましたが、TABICAというプラットフォーム(現在はaini)が出てきたことで、ツアーを販売。週2ペースで鎌倉ツアーと日暮里ツアーを開催していました。鎌倉という土地柄、鎌倉が好きな人たちが鎌倉を違う視点から見たい、ブラタモリみたいなまち歩きをしたいと思ってくれた人が参加してくれていました。

8.縁側de和菓子

鎌倉に移住してから初のイベント。古民家で季節を感じるイベントをしたいと思って、それの第一回。古民家スタジオ・イシワタリで和菓子を食べるイベントをしました。その時は、ゲストの和菓子女子せせさんと私の友人たちが来たので、全体的に若かったのですが、一番喜ばれたのは縁側に座って何気なく話してる姿の写真を撮ってあげたこと。こういう他人が撮った写真の方がSNSにあげやすい、と改めて感じたイベントでした。

9.縁側のある家を建てる

縁側が好き、と言ってても普通の家に住んでいるのは説得力がない、と自分の活動に矛盾を感じるようになりました。

縁側のある家を建ててから、友だちを呼ぶことも増え、いろんな人を縁側に座らせることに成功。そして
「縁側っていいね〜」
という声も必ずと言っていいほど、言ってくれてました。

縁側でスイカを食べたい、七輪でお餅を焼きたい、そういう友人の声を拾ってはうちの自宅で実現させてきました。やはり、場所を持つことの強さを感じてます。友人に限りなんですが…。

おわりに

正直、いろんなことをやってきましたが、興味ない人に「縁側」を何人にリーチできたのかはわかりません。SNSでも結局突き抜けられることができず……。でも、「そういえば好きかも」という人たちに、縁側という空間を改めて認識させることはできたと思います。「よく縁側ちゃん(呼び名です)に会ってから、縁側が気になるようになった!」という声を聞きました。

そして、9年かけてやってきた活動も、来年でサイトを開設して10年。サイトを立ち上げた当初から10年はやる!と意気込んで始めました。それが残すところ1年。ここ数年はゆるゆるとしか記事も更新してないし、何かイベントをしているわけでもないのですが、来年で一区切り付けようと思っています。(ドメインは残します)なので、もし何かあればイベントなど誘ってください。出ます。

そして、できれば活動の最後の10個目は商業出版をしたいです。もう6年くらいは諦めてきた状態です。当初は3人の編集者から声をかけられ、企画会議には出されるのに「売れないから」という理由で企画が通りませんでした。市場規模が小さいんだから、売れる見込みもない、みたいなかんじです。それ加え、テレビ局の人からは「面白みがない(キモさのような)」「1000くらい周らないと」みたいなことを言われたりして、あ〜もう無理だな〜って思っていたんです。

だけど、ここにきて終わりが見えているんだから、書けることはどんどんアウトプットしてnoteに出していくことにしました。

そしてお願いです。もしよかったら、どなたか企画の壁打ちとか本を出した人で企画書の書き方とか教えてくれる人、いませんか?自分の中でも何がウケそうで、何がウケないかわからん状態です!コメントなどでもいろいろとご意見もらえると助かります。

▽縁側の口コミとともに募集します。


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