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「守られている」と思うことにした

朝、目覚めた直後、
「蒸されたい」と 思った。


わたしの寝起きは、そんなによくない。


目覚めてもうつらうつら、しばらく布団の中でじっとしている。
ぐぬぬ……と布団を這い出て、
白湯を沸かす。
それを待つあいだ観葉植物たちに水をやり、
彼らにちょっとだけ靈氣(れいき)する。
紫陽花の花ではなく葉っぱだけの茎をふたつ、
花瓶がわりのペットボトルに挿して
ひと月以上過ぎた。
枯れるどころか、根が出てきている。
植物はつよい。



玄関掃除。トイレ掃除。
光を浴び、体を動かすことで徐々に目が覚めてくる。
白湯を飲む。
砂風呂の予約可能な枠を見ながら電話をかけた。
13時の予約枠があいてそうなのでそこを狙ったが、「12時でしたらお受けできます」と言われてしまった。
タッチの差か、13時が埋まった模様。
少々出発時間は早まるが、まあ大丈夫だろうということで、12時に予約した。


🌻


雨が降りそうで降らないままの道中。
視界に入る緑の量が多くてすでに癒される。
無事に到着し受付を済ませた途端、ばらばらと雨が打ちつけた。スタッフさんが二度見するぐらい、一瞬で外は豪雨となった。

蒸されていると、バリバリドゴォーーーンと雷の音が聴こえてきた。
「どくんどくん」となる体の感覚に集中していたので、そんなに氣にならなかった。
「あ、鳴ってんな」ぐらい。


蒸されたあとは30分ほどのリラクゼーションタイム。お茶が何種類も順番に出されてくる。
きょうは青汁もあった。
「青汁……?」と訝しみながら飲んでみたら飲みやすくておいしかった。
モリンガ入り。それもホットの青汁。
「思いこみ」がまたひとつ外れた瞬間だった。


そのとき「あっ」と氣づいた。


「13時予約」だったら、
この雷雨のなかを移動する羽目になっていたんだ!と。


1時間早い予約に入れたから、雷雨にあわずに済んだのだ。


普段は「なんでわたしばっかりこんな目に」と
卑屈を盾にしている節さえあるけれど、
こういう些細なことに氣づいた途端、
「やっぱわたしってラッキーやな〜」
と、いたく現金なことを思うのだった。


外に出たら雨はほとんどやんでいた。
駐車場が池になってた。


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