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はるくんの中の「ことばのかけら」

はるくんはおふろが大好きで
湯船につかりながら
いつもなにやら一所懸命あそんでいる。

私ははるくんをおひざの上で支えながら
じーっと遊んでいるのを見ている。

とても集中してるから
いっしょに遊ぼうとしたり
声をかけたりはしないで

なにをしようとしているのだろう
なにを感じているのだろう

私のなにかで
はるくんのあそびが変わってしまわないよう
興味や関心が変わってしまわないよう
ひたすら耳をすませて、見つめている。

おふろに入ってる時が一番
はるくんの新しい姿が発見できて
とてもおもしろいの。


今日もはるくんは
ペットボトルのふたにお湯を入れてはこぼし
入れてはこぼしと遊んでいた。

耳をすますと
なんとか聞こえるくらいの小さな声で

んーあちゃし、んまおー
うーんーあいぇしー
んとっとっとっと…

…なにかしゃべってる。


いつもの「あ!」というような
私に何かを伝えようとする声とはちがう。

あーおーおーおー、と
いろんな声を出せるようにと
発声練習しているかんじともちがう。

これは…なんだろう。
このかんじ…

いつもよりおだやかで、とりとめもなく
ただ紡がれているだけ、というような
この音の感じ…


あぁ、これは、ひとりごとだ。


なんだかこれ、内言みたい。

頭の中で考えている言葉、内言が
口からもこぼれ落ちてしまう
小さなこどもによくあることなんだけど

まだ言葉ではないけれど
それにそっくり。

はるくんの中に
言葉が生まれるようになったんだ!


最近はるくんは
私たちの言っていることをよく理解している。
返ってくるしぐさや声で
まるで会話をしているかのように
やりとりができるようになった。

でもそれは
私たちからの言葉を「受け取って」いるわけで。

ひとりごと、ということは
はるくんの内側から
言葉が生まれてきているってこと。

口から発声する時に
言葉の形にはまだできないから
私たちがそれが何の言葉なのかは
まだ理解することができないけれど。

はるくんの中の
今かたちになろうとしている
「言葉のかけら」が見えたような気がして
すごくうれしくなってしまった。


もうすぐしゃべり始めるかもね
なんて話していたけれど

はるくんの内側には
もう言葉があるんだ。

なんてすてきなんだろう。

どんな言葉なのかな?
はるくんは、どんなことをおはなししてるのかな?

それが本当の言葉の形になって
聞こえるようになる日が
とても、とても楽しみ。

(でも、今のひとりごともかわいいから
 まだまだこのままでもいいかな)


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