猫と瞑想②

猫と瞑想②

いつものように同調したらキューンと上げていく。お!今日は調子いいじゃないかと思う間もなく、最近のゴールラインにたどり着く。いつもなら終点!終了!となるところなのだが、今日は少しばかり様子が違っていた。

さらに上があるのがわかる。でも、何か、それを物に例えるのも奇妙なのだが、柔軟性のある半透明のヘルメットにぶつかったような、そんな感触に阻まれて上がっていけない。

おや‥

どうする?

もっと行けそうだけど‥

ぐにゃりとした感触に阻止されているのだが、なぜかその厚みやさらに上があることまでわかる不思議、というかいい加減さを感じつつ、どうやったら突破できるのか考えてみる。とは言え、考えたって始まらない世界なのだ。

で、なんとかならんもんかな‥思ってると、そのぐんにゃりしたヘルメットの中を上がり始めた。ねっとりした抵抗を感じながら進む。少し時間はかかったが、案外こともなげに突き抜けられた。

そこは別世界だった。

瞑想(私がしているのはサマディ以降の話なので、目をつぶって黙って座ってるだけの人たちには伝わらないだろうが)を深めていくと、いくつもの意識の階層とでも呼べる世界を体感する。そして意識世界に周波数的なものがあることを肌で知る。周波数を上げるには、心身の状態を整えていく必要がある。それは世間の人が誤解しやすい聖人君子的なものとはかなり違うのだが、精妙な世界に行くにはそれなりの条件があるのだ。

突き抜けた先は別世界だった。

上がろうと思う必要もなくどこまでもどこまでも上がっている。

そして、いつものように上昇の限界を感じることもない。

どこまで上がるのだろうか‥。どこまでも開け放たれた世界があるだけのように思われた。いや、上がる下がるということ自体が無意味になる世界と言ってもいいかもしれない。

ん?もしやこれは??

最近のニューチャレンジとして瞑想時のバイブレーションを肉体に落とし込むという荒行的なことをやっている。これをやろうと言い出したのは私ではない。猫である。正確にはやろうではなく、やれるか?であったのだが、それを今ここでやるのか?

私の右手は猫の首に、左手は猫の右手をつかみ、デコ同士をくっつけたまま、それにチャレンジするのか‥。

結果は、まずまずであった。

そして、先に音を上げたのは猫の方だった。

カクンカクンと振動した後、よろよろ立ち上がり戦線から離脱した。

そして二三歩歩いてドタッと倒れ込んだ。

私もヨレヨレだった。

意識の焦点が日常モードに戻ると汗が噴き出してきた。

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